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名探偵と料理人
第三十五話 -学園祭前-
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コンコン

「先生?いらっしゃいますか?」
「ええ、いますよ。どうぞ」
「失礼します」
「おや、緋勇君と…そちらの子は?」
「ああ、実はですね…」

俺は、シャロンさんに事情を説明した。

「なるほど。そういうことでしたか」
「それにしても…どーしよぅ、龍斗君。流石にこの腕じゃあ無理ですよね?新出先生」
「そうですね。日常生活ならば無理をしなければという所ですが。剣を振ったりするのは学校医として止めさせてもらいます」
「うーん。もう、皆役を決めちゃってるし。時間もないし…ねえ、龍斗君。代役できない?」
「勿論!…といいたいところだけど、俺って演技に関してはてんでダメなんだよ。最初の頃を知ってるでしょ?」
「う。確かにこんな一面があるんだってビックリするくらい下手だったわね…」
「…あの?お二人に提案があるのですが…」





―パチパチパチ!

「すっごーい、新出先生!台本を一回見ただけなのにかんっぺきな演技!動きもなんか一人だけ本物の俳優みたいな空気出してたし!」

他の見学していたクラスメイトも大絶賛だ。…そりゃそうだ。中身大女優だもの。それにしても妙に嬉しそうだな、シャロンさん。蘭ちゃんと何かあったのかな?

「新出先生、もしよろしければ代役お願いできませんか?」
「ええ。私で良ければ」

…まあ、いいか。





「それじゃあ、後二、三日で退院できるんですね?」
「ええ」

今日も今日とて、お見舞いに。新ちゃんが撃たれて10日が経っていた。主治医の先生によると後遺症が残るようなこともなくもうすぐ退院できるそうだ。ただ、今は抵抗力の低下による風邪をひいているそうだ。…ああ、蘭ちゃんの血液には新ちゃんが感染症になりうる因子はなかったそうだ。
子供たちも丁度お見舞いに生きていたがそろそろ日も暮れる頃なので彼らは帰し、俺達は新ちゃんを病室に戻すことにした。

「でも二、三日後って学園祭の真っ最中で三日後なら劇の当日よ?どーするのよこの子の迎え。あんた朝から手が離せないわよ?」
「大丈夫!お父さんに頼むから…」
「そーいえば、アイツに連絡した?」
「アイツ?」
「新一君よ!蘭が劇のヒロインをするって言ったらすっとんでくるんじゃない?」
「来ないよ…それに、いいんだ私。コナン君が見に来てくれれば!」
「「「え?」」」
「来てくれるよね?」
「う、うん」
「なーに?もしかしてそのがきんちょに乗り換えるの?」
「何言ってるのよ、園子」

「(ちょ、ちょっと。龍斗。蘭ちゃんもしかして…)」
「(うーん。これはちょっとまずいかなあ。紅葉から見てもそう思う?)」
「(そらもう。あの表情を見たらそうとしか考えられへんやろ?ありゃあ、想い人を見てる顔やで?
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