第三十五話 -学園祭前-
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まだ。生きてるみてーだな。…しぶといね、オレも…イテテ…)
「ん?蘭?」
―ガチャ
「オメー、蘭に感謝するんだな」
「おじさん…?」
「ふわぁっ…蘭のやつ、オメーに血を400ccもやったうえに夜通し看病してたんだからな。偶然オメーと蘭の血が同じ型だったからよかったけどよ、もし特殊な血だったらオメー今頃あの世だぞ。…ああ、龍斗君にも感謝しておけ。彼ももしダメだった時のために血をやったうえにホラ」
「え?」
「おはよう、コナン君。意識が戻って安心したよ」
俺は寄りかかっていた壁から離れ、新ちゃんへ近寄り額に手を当てた。
「…ん。熱もないし、顔色もいい。…よかったよ、ほんとに」
「…ああ」
「『ああ』…じゃねえ!まったく、蘭がいっぱい血をくれたんだ。早く元気にならねえと承知しねえぞ?!」
「う、うん」
「さて、と。龍斗君。コーヒーでも飲みに行かないか?夜通し様子を見ていたのは君も同じだろ?」
「あ、それではご相伴に預かります。(新ちゃん、ご両親にはしっかり連絡入れたから、ね?)」
「げっ!?」
「それじゃあ行きましょうか」
「ああ」
俺はコーヒーをごちそうになり、そろそろお暇しようという所で新ちゃんを執刀した医師に声を掛けられた。
「君が、あのボウヤに血液を提供してくれた人だね」
「え、ええそうですけど」
「ちょっと話をしても大丈夫かい?」
なんでも、俺の血球成分は軒並みアスリートを凌駕する数値をたたき出しており子供に全血輸血するには適していなかったの事。そして使用しなかった血液をどうするかについてだった。
それに対して俺は、緊急事態の事だったので廃棄することを求めた。今度しっかり献血に行くことを伝えた上で。…一応擬態をしたとはいえ、振り返ってみて冷静だったとはとても言えない。なにかポカをしてそれが血液に残っているかもしれないと思うと、誰かに使われるのは怖すぎるからね。
―
新ちゃんが撃たれて数日。高校帰りに紅葉や蘭ちゃん、園子ちゃんとともに頻繁にお見舞いに行っていた。子供だけあって回復力もあり、順調に回復しているようだ。そして今は、学園祭での劇の練習をクラス全員で行っている所だ。
結局、配役はあの放課後の話通りになった。今は蘭ちゃんが馬車に乗り、その道中で悪漢に襲われ黒衣の騎士が舞台上から飛んで登場するシーンを練習してい…た!?
「…いったあぁ!」
「だ、大丈夫?園子」
「ちょっと見せて。…ああ、これは捻挫かな?取りあえず保健室に行こう?」
「ええ…痛い…」
飛び降りるシーンを再現したかったのか、椅子の上から飛び降りて剣を振り下ろした園子ちゃんはそのまま床を剣で叩いてしまい。手首をひねってしまったみたいだった。
俺は彼女を連れて保健室に向かった。―コン
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