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名探偵と料理人
第三十四話 -日常回-
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ん。

「分かりました」





「ちょっと、信じられないわね。体臭を嗅ぎ分けられるってこと?そんなことありえるのかしら?…ああ、変装は解かないけど勘弁してね?もう一回やり直すのも面倒だから」
「…ああ、はい。ご自由に。違和感すごいですけど」

彼女の先導で保健室に入り、彼女はそのまま鍵をかけた。……あれ?これヤバいんじゃね?鍵のかかった密室の中、男と女(傍目は男)。誰かが来て、こんなん見られたらあらぬ誤解を生みそう。

「あら?何を黄昏ているのかしら?」
「ああ、いや。なんでもないです」
「??」
「えっと!それでなんだけど。どうして新出先生の姿で帝丹高校に?」
「……そうね。休暇、かしら」
「休暇?」
「ええ。実は彼ね。とある崖で事故を起こして。私はその現場に居合わせたのだけれどそのまま彼は浮いてこなくて。まあ、余り褒められて事ではないけれどそのまま彼の場所を間借りしているってわけ」
「…役者の休暇なのに誰かにまた化けるって疲れない?」
「有名人というのも疲れるモノなのよ。それにココには貴方を初め、由希子の息子にその幼馴染みと私にとってはとても大切な子たちがいるしね」
「…なんというか。俺はどうしたらいいのやら」
「できればそのまま見過ごしてくれるとありがたいわね」

さてはて。俺はどうすべきなんだろうかね。んー、んーー。

「じゃあ、こうしましょう。シャロンさんが…シャロンさんでいいの?」
「そうね、あなたにはそう言ってもらって構わないわ」
「シャロンさんが新出先生の事故を通報しなかったのは悪い事…悪い事?だから。その姿を借りている間は悪いことをしないこと。それを守ってくれるなら俺は黙ってるよ」
「…そうね。それで黙ってくれるのなら約束しましょ」

嘘は…言ってないかな。

「それじゃあ、約束」
「ええ、約束」

そう言って俺達二人は指切りをして別れた。…保健室から出た時周りに誰もいなくてほっとしたのは内緒だ。




「あなたは、しっかりと私の事を見てくれているのね…」





「おっそーい!大丈夫だった!?」
「何だったの?龍斗君」
「おかえりなさい、龍斗」
「はい、ただいま」
「やっぱりいちゃいちゃ禁止令か?」

教室に戻ると紅葉、蘭ちゃん、園子ちゃん、中道、会沢の五人がだべっていた。

「違う違う、学園祭で出店をしないかって言われてね」
「おお、そりゃいいじゃねえか!オメーの料理なんてほんっとにたまーにしか食べられないしな!」
「肉だ肉!ガッツリ系の物で頼むな!」
「前提からずれてるぞ、サッカー馬鹿コンビ。断ったよ」
「「えーーー!?」」

女性陣は流石に察しているのか納得顔をしていた。俺は中道と会沢に向けて校長先
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