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名探偵と料理人
第三十四話 -日常回-
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「まあ、そう言われるのは光栄なんですが。絶対、ぜぇええったい、混乱が起きて学園祭がダメになってしまいますよ。承服できません」
「そこは、ほら。当日まで秘密にしておくとか、家族だけに伝えるように徹底してもらうとか…」
「当日までならそれでも大丈夫だと思いますけど。ウチのクラスの皆は口が堅くて義理堅い気のいい奴らばっかりですしね。ただその家族の皆さんとは俺と直接の関わり合いがないので本当に黙っていてくれるかわかりません。口止めしていても親友だけなら、その親友もお母さんだけなら…なんてことになりかねませんし。当日開いてもあっという間にSNSで拡散されますよ。それを見て人が集まって、でもその前に材料が無くなればそこからはパニックですよ?あることない事を無責任に書かれる可能性もある。そんなリスクは…この高校生活、とても満足してるんです。それをメチャクチャにはしたくないんですよ」
「……はあ。やっぱり今年もダメでしたか。分かってましたけどね」
「申し訳ありません、校長先生」
「いいんですいいんです。子供たちが健やかな学生生活を送るためのいらぬ障害の防波堤になるのが先生という人種ですから。保護者会には私から説得しておきますね」
「……ありがとうございます。今度、胃に優しいお茶請けでも差し入れしますね」
「ほっほっほ。それは楽しみです。…申し訳なかったね、放課後に呼び出しなんかして」
「いえ。それでは失礼します」

そう言って俺は校長室から退室した。…ふう、本当に俺は恵まれてるな。クラスメイトしかり、教員陣しかり。いい高校だ…ん?

「おや、緋勇君。どうしたんだい?こんなところに」
「あ、えっと。校長先生に呼び出しを受けまして」
「おや?君が校長先生に呼ばれるとはね。意外と不良少年のなのかな?」
「学園祭でで店をしないかという打診ですよ……えっと。聞いてもいいですか?」
「なるほどね。それで?聞きたいことって?」

俺はそれを聞き、彼女に近づき首元を嗅いだ。

「ちょ、ちょっと緋勇君近い「お久しぶりです、シャロンさん」…よ…?何を言ってるんだい?シャロン?誰の事かい?」

俺も彼女の葬式に出た。そこでクリス・ヴィンヤードになった彼女を見た。結局シャロンさんとして話すのは一年ぶりになる…のか?応じてくれればだけど。葬式の時はクリスさんだったしね。

「俺、結構…いや地球上で一番鼻がいいんです。あなたからは、そして一年前の葬式でクリスさんと話したとき、10年前に会った時と変わらないシャロンさんの香りがします」
「………」

心音は緊張、焦燥、逡巡…そして歓喜?

「…ふぅ。保健室に行きましょ?龍斗君」

声色はシャロンさんだけど…外見が新出先生だと違和感が半端ないな。あと、声だけで聞くととても淫靡な響きが…げふんげふ
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