第三十四話 -日常回-
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「それでは、我ら2年B組の学園祭の出し物は「劇」に決定しました!」
パチパチパチパチ!
いつものように学校に行き授業を受けクラスメイトとくだらない雑談をする。そんな平凡な学校生活の一日だったが、今日は放課後のHRで担任の巽先生から学園祭の出し物を決めるようにお達しが来た。
「それじゃあ、劇の脚本と演出はこの鈴木園子様にお任せあれ!ちょー大作のラブロマンスを作ってきてあげるわ!」
おーっほっほっほー!
そう言って立ち上がり、高笑いを披露する園子ちゃん。そんな彼女を周りの人は冷たい目で……なんてことはなく、彼女のお調子者気質はこのクラスには知れ渡っており、皆生暖かい目で見ていた。ま、ちゃんと言い出したことは実行してきたしそう言う信頼感があるから何も言わないんだろうね。
「じゃあ、鈴木に任せるという事でいいか?…反対意見もないようだしそのように。鈴木は早めに仕上げて練習に入ること。それでいいか?」
「わっかりましたー、巽先生!」
「それじゃあ、HRを終了する。気を付けて帰るように……ああ、緋勇。お前は校長室にこの後行くようにとお達しだ。それじゃあ、解散!」
んん?校長室に呼び出しとな?俺なんかやったっけ?
「何々?なんかしたの龍斗君?」
「いやあ、それがね、蘭ちゃん。心当たりが全くない」
「んー。最近龍斗は大人しゅうしてると思うんやけどね」
「おいおい、緋勇!お前何しでかしたんだ?大岡といっつもいちゃいちゃしてるからとうとう校長からお叱りか〜?」
「いやあ、いっつもうらやま恥ずかしい思いをしてきたオレ達からしてみたらざまーみろ…いやいや、とても心配ですなあ。ねえ中道君?」
「そうですなあ、会沢君?」
「そこ、うっさいぞサッカー馬鹿コンビ!全く、大体ねえ…」
サッカー部の会沢と中道が肩を組んで茶化し、そこに突っ込む園子ちゃん。…おお、すげえ。一言ずつしか言ってないのに怒涛の勢いの園子ズマシンガントークにあたふたしとる。
「……ま、行ってみれば分かるでしょう。それじゃあ行ってくるね」
「はい、いってらっしゃい」
俺は園子ちゃんの餌食になっている二人を尻目に校長室に向かった。
―
―コンコンコン
「2年B組の緋勇龍斗です。校長先生はご在室でしょうか?」
『ええ。どうぞ』
「失礼します。……担任の巽先生から呼び出しとのことで参りました」
ノックをした後入室した部屋の中には、校長先生が一人机についていた。
「はい。その通りです。実は今年の学園祭『お断りします』…はやいですね」
「校長先生…去年もこの時期に打診されましたがその時もお断りしたはずですよね?」
「そうなんですけどね……ほら、保護者会からも言われてまして。『なぜ緋勇龍斗に出店をさせないのか』ってね」
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