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名探偵と料理人
第三十三話 -世紀末の魔術師(6/6)-
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はそれを避けながら、遥か1000年以上前に思いをはせていた。





『はあはあはあ…』

マガジンを変える事二回、スコーピオンは息を切らしてもう弾の出ない拳銃の引き金を引いていた。石床には金色の薬莢が20以上転がり、俺の後ろの壁にも同数の穴があいていた。途中、懐中電灯を消して片目に暗視スコープを付けて(多分、キッドを狙撃した時に付けていたものだろう)狙ってきたが、まあ俺には関係ないし。

『な、なんでこの暗闇で避けられるのよ…』

こっちを見るスコーピオンの目には明らかな怯えが見える。俺はそんな彼女に近づき、懐中電灯の明かりをつけた。

『さあて?俺にそれを答える義務はありませんね。それじゃあ…』

そう言って彼女の手を取り、彼女の鞄から取り出した(中には手榴弾らしきものもあった)ロープで縛ると先に進んだ皆を追うことにした…っと。

『スコーピオン、余り抵抗しないでくださいね?俺だけだったから連射なんてさせましたが俺以外がいる中で何かをしようものなら…』

そう言って、俺は落ちていた拳銃を手に持ち彼女の目の前でゆっくりと握りつぶした。

「手加減、しませんよ?」

スコーピオンはバラバラになっていく拳銃を見て顔色をなくしていた。





「さあさあ。後顧の憂いもないわけですし、エッグを探しに行きましょう!」
「お、おおう?」
「(ったく。やきもきさせたのはテメーだって―のに)」
「た、龍斗君。怪我はない?撃たれて無い?我慢とかしてない?」
「だ、大丈夫。大丈夫ですから!どこも怪我してないから落ち着いてください夏美さん!!」
「(お?これは紅葉さんへのいいネタになりそうだな。パシャリ、と)」

涙目になりながら俺の体をぺたぺたと触る夏美さん。ちょ、ちょっとくすぐったい。

「大丈夫ですよ!だから泣き止んで、ね?ほら、いい子だから」
「う…うん」
「うぉっほん!緋勇様、無事で何よりです。何よりですが、少々お嬢様と近いようですが?」
「あ、はいそうですね。ほら、ね?夏美さん?」
「あ、えっと。ごめんなさい、ね?」

なんとか夏美さんを引き離し、微妙な雰囲気になりながらも皆が留まっていたところから先に進んだ。
先に進んだ場所は袋小路でどうやらここが最終地点らしい。最奥には棺が安置されており、そこには立派な錠前がついていた。それは夏美さんが持っていた古い鍵で無事開錠でき、中には赤いエッグが入っていた。そのエッグの中には緑の鈴木家のエッグの物と違い、中は空っぽであった。
歩美ちゃんの発言から、二つのエッグがマトリョーシカのように二つで一つの物であることが分かった。鈴木家のエッグをキッドが鈴木会長に借りてきた(絶対嘘だな)といって提出し、赤いエッグの中に緑のエッグは収まっ
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