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名探偵と料理人
第三十三話 -世紀末の魔術師(6/6)-
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「な、なんてことを…」
「龍斗君…」
「お、お嬢様!?」

夏美さんが意識が遠のいたのかふらつき、沢部さんが支えていた。…無理もないな。龍斗と結構仲が良さそうにしてたし、知り合いが銃を持った相手と対峙してるなんて聞いて平静を保てるわけがないか。でも、そうなるとどうする?相手は拳銃を持っている。
いや、最悪のケースはそこじゃない。最悪なのは…

「ここは…どうするか。エッグ探しどころじゃなくなってしまったな」
「そうだ、毛利さん。この子たちが来た横道がら脱出するというのはどうでしょう?乾さんの話によると彼らが対峙していたのは横道より少し戻った場所といいます。その横道に入れば青蘭さんをスルー出来るのでは?」
「し、しかし龍斗君の安否も気になります…そうだ、おい白鳥!てめえ、銃持ってんだろ?オレに貸せ!様子を見てくる!!」
「へ!?あ、いや…わ、私も射撃には自信がありますし私が見てきますよ!」
「んー?オメー、アクアクリスタルの時に目暮警部に聞いたときは射撃はからきしダメじゃなかったか?」
「あ、あれから特訓したんですよ!それに、一般人に拳銃を渡せませんよ」

あれ?この白鳥警部って、まさか…いや、それよりも。今はスコーピオンだ。もし、乾さんの言っていることが全部嘘で乾さんこそがスコーピオンだったなら…ここに来ない龍斗と青蘭さんはもう…くっそ!!いや龍斗の事だ、そう簡単にやられるわけがねえ!

「とにかく!皆さんで纏まって横道まで戻りましょう!その後は私が元来た道を戻りますから!」
「何で戻るんですか?」

へ?

「「「「「龍斗君!?」」」」」












「いやあ、すみません。スコーピオンの無力化に時間がかかっちゃって……」
「む、無力化って何をしたんだい?龍斗君。それに後ろで顔色をなくしている青蘭さんは…」
「あははは…」

小五郎さんのその言葉に曖昧に笑うしかなかった。

―30分前―

『じゃあ、死になさい』

放たれた銃弾は俺の後ろを穿った。もちろん、俺の右目を貫通したわけではない。俺が避けたんだ。

『な!?』
『別に驚くことですかね?銃口の向きと指の動きを見ていればいつ発射されることは分かりますし、あなたは右目を狙うからなおさらですね』

実際は弾丸を見て動いてるんだけど…普通の人には暗い道も俺には真昼のように見えているしね。まあ言っても信じられないだろうしもっともらしいことで煙に巻くかな。それにしても…

『拳銃で撃たれたなんていつ振りになるやら…』
『な、なによ。まぐれに決まっているわ!なめないでちょうだい!!』

俺のつぶやきは聞こえなかったのか、スコーピオンは右目に限らず俺の体に照準を合わせるや否や拳銃を撃ち続けた。俺
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