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名探偵と料理人
第三十二話 -世紀末の魔術師(5/6)-
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語のアルファベットを入力できる文字盤を発見した。
セルゲイさんにロシア語で押してもらい「思い出:ВОСПОМИНАНИЕ」「喜一香坂:Киичи Конака」と、思い思いに関係ありそうな言葉を述べたが反応はなかった。

「何も起きないな……夏美さん、何か伝え聞いていることは?」
「いいえ、何も…」
「バルシェ ニク カッタベカ」
「え?」
「夏美さんのあの言葉、ロシア語かも知れないよ」
「なるほど。もしかしたら夏美さんは小さい時にお婆ちゃんからこの出入り口の事を聞いていたのかもしれないね。けど、秘密の地下室の事は忘れてしまってパスワードの言葉だけが耳に残ってた、と」
「な、なんだそりゃ?」
「えっと、とにかく心当たりがあるのがその言葉ってことですよ小五郎さん」
「それで、夏美さん。ばる…?」
「バルシェ ニクカッタ ベカ」
「バルシェニクカッタベカ?」
「もしかしたら切る所が違うのかも」
「あ、セルゲイさん。それなら最後はвекаじゃないかな?世紀のって意味の」
「ふーむ、バルシェニ クカッタ。バル シェブ…」
「それって、ヴァルシェーブニックカンツァーベカ、じゃないかしら?」
「な、なるほど!BOJIШEБHИК КOHЦA BEKAだ!」
「それってどういう意味?」
「英語だとザ・ラスト・ウィザード・オブ・ザ・センチュリー。えっと日本語だと…」
「「世紀末の魔術師」」

俺と浦思さんの声が被る。

「世紀末の魔術師?どっかで聞いたのような??」
「お父さん!キッドの予告状よ!」
「それだ!これはとんだ偶然だな!!」
(偶然、ほんとにそうか?)
「セルゲイさん、入力を」
「わ、わかった」

セルゲイさんが入力を終えると歯車が動く轟音がし、床がゆっくりと動き地下室への階段が現れた。

「でかしたぞ、ボウズ!」

地下へと続く階段はらせん状になっており、らせん階段を降り切ると平坦な道が少し続き、また階段、平坦な道、階段と結構な深さを下っているようだった。

「それにしても夏美さん、なぜパスワードが「世紀末の魔術師」だったのでしょう?」
「多分、曽祖父がそうよばれていたんだと思います。曽祖父は16歳の時、1900年のパリ万博でからくり人形を出展し、そのままロシアに渡ったと聞いています」
「なるほど、1900年といえばまさに世紀末ですな…」

一行は一本道を進み、少し広めの広場のようなところに出た。

「ほー、まだ先があるのか…ずいぶん深いんだな」

―カラッ、カラン…――

これまで一本道だったのがこの広場では側道があり、そこから小石が転がるような音がした。

「ん!?」
「どうしたの、コナン君?」
「今、そこの横道からかすかに物音が」
「スコーピオンか!
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