第三十二話 -世紀末の魔術師(5/6)-
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」
「私もそんなわけないじゃない。確かに曾祖母はロシア人だけどそんな話は聞いたこともないわ」
…なんだ?俺が血縁者じゃないかって聞いたとき浦思さんとキッドの心音がはねた?動揺?キッドの方を横目で見るとうっすら冷や汗をかいてる。……まさか、まさかなのか?
夏美さんは普通だったから本人の言う通り、何も聞いていないようだけど。浦思さんは……
そんな話をしているといつの間にか神奈川に入り目的地の横須賀の城が見えてきた。
「ほう…」
「わぁ…」
「すごく、綺麗なお城ですね夏美さん」
「ありがとう、龍斗君」
車内では初見のキッド、浦思さん、俺が感嘆の声を上げた。心配していた事故を起こすことなく、キッドが運転する車は無事城にたどり着き停車した。
「ホントに綺麗なお城……」
「ドイツのノイシュバンシュタイン城に似ていますね。シンデレラ城のモデルになったと言われる…」
流石に博識だな、キッドの奴。俺達は途中によるところがあると言って別れた乾さんの合流を待つため外にいた。俺は皆から離れ正面からみて左側にある階段の方に足を向けていた。
「へえ、崖沿いに小さな塔?か」
こういうのって城主しか知らない秘密の出入り口とかあるって言うけれど。…ゼブラみたいにエコーロケーションを使えれば全貌が分かるんだけどねえ。…っと、来たみたいだな。
階段半ばまで下りていた俺は、聞こえてきた乾さんの声に塔に行くことを諦め元来た道を戻ることにした。
「それじゃあ、中にはいりますか!」
「あ、じゃあ向こうに行った龍斗君を…って丁度きたみたいね」
「声が聞こえたから戻ってきたんだよ、蘭ちゃん」
「あー!龍斗おにいさんだ!!」
「ホントです!」
「ひさしぶりだなー!!」
「久しぶりだねえ、少年探偵団の皆」
そう、俺が散策している間に博士の車がやってきたのだが。新ちゃんと博士の内緒話を盗み聞いた限り、彼らはこっそりついてきたようだった。…子供三人があの小さなビートルに乗れば気づくようなもんだと思うんだけど。
「君たちは入れないようだけど、外の景色や城の外観…外側を見るだけでも結構綺麗だから博士と哀ちゃんの目が届く範囲で探検するといいよ」
「「「はーーい!」」」
「……あら?龍斗君、いつ聞いたの?毛利さんが子供たちを入れないって」
「ははは、俺地獄耳なんですよ…」
「えー、なにそれ。じゃあ龍斗君の前では内緒話できないってことかしら?」
「ま、まあ。節度はわきまえてますよ?」
「ほんとにー?」
そう言って夏美さんの追及をごまかし、俺達は城の中に入った。小五郎さんが沢部さんに正面扉の鍵を閉めるようにいい、沢部さんはしっかりと鍵をかけていた。
一応、外の様子を聞いてみるか。…『ヨッシ!それじゃあオレ達も!』『ん!?
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