第三十一話 -世紀末の魔術師(4/6)-
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「どうしたん龍斗?」
「い、いやなんでもないよ」
この臭い、間違いなく「彼女」は発砲している。でも、前の事件で鯨井さんの発砲後の時と比べて臭いがかなり薄くなってるな。もしかしたら、銃を撃った時の服から着替えた?それに体の方も洗ったか?この感じ、新ちゃんの雑学で聞いた警察の検査の方法じゃ検出できないかな…参った。ここまで周到にしているなら証拠になりそうな痕跡はもう海の底かな…
「これは……新ちゃんでも厄介かな?」
「せやね。こんな逃げ場のない客船の中で事を起こしたんや。相当準備もしてるやろし、手ごわいやろなあ」
確かにこれは手ごわそうだ……ん?現場で検分をしていた目暮警部が戻ってきた。
「このボールペンは西野さん、あなたのものに間違いありませんね?」
「は、はい……」
どうやら、寒川さんの部屋で西野さんのボールペンが発見されたようだ。西野さんは遺体発見時、部屋に入っておらずさらに犯行時刻と思われる午後七時半のアリバイも証明できないとのことで小五郎さんに犯人ではないのかと詰問されている。
「目暮警部!」
「どうしたのかね、高木君」
「被害者の部屋を調べたところ、録画データが全部なくなっていました!」
「何!?」
「そうか、それで部屋を荒らしたんだな?」
(このままだと西野さんが犯人になってしまう……でも何か腑に落ちねえ。こうなったら…!)
「あ、コラボウズ!勝手に動くんじゃねえ!!」
目暮警部とともにラウンジに戻ってきた新ちゃんはまたいずこへと走り出してしまった。
「あ、じゃあ私が…」
「いいよ、また俺が行くから(そのかわり、紅葉の傍にいてあげて。結構怖がりな所があるからさ)」
「わ、わかった。お願いね、龍斗君」
こっちを不安そうに見る紅葉を安心させるようにうなずき、俺が座っていた場所に蘭ちゃんが座ったのを見届けた後、新ちゃんの後を追った。
しばらく船の中を進むと新ちゃんは電話コーナーの一室でどこかに電話をかけているようだ。行儀が悪いけど盗み聞きさせてもらうかな。『…何!?右目を狙うスナイパーじゃと!?分かった調べてみる。10分後にまた連絡をくれ!』『10分か…』相手は阿笠博士か。新ちゃんは電話を切りそのまま思案に入ってしまったようだ。…ん?
「龍斗君、銃を持っている犯人がうろついてるかもしれないんですよ?皆の所に戻って下さい」
「…はあ。ですがコナン君も連れて行かなくてはならないので。それと、≪どちら様で?≫」
「……っ!と、これは初対面でしたね。白鳥任三郎と申します。階級は警部補。それで早く……」
「ああ、別に≪白鳥さん≫とは面識はありますよ?何度かパーティでお会いしたことがありますから。まあ事件現場では初対面であってますけど。大胆だねえ、≪怪盗キッド≫」
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