第二十九話 -世紀末の魔術師(2/6)-
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「お、おい工藤どこに行くんや!?」
「大阪城だ!二人はエッグを守ってくれ!!」
俺達にそう言うと今にもスケボーで走り出そうとする新ちゃん…?雨…か?
「ん、雨?確か天気予報やと今日は晴れ…!?ちょ、ちょっと待てぇ工藤!「光る天の楼閣」は大阪城やない。通天閣や!」
「通天閣?」
「通天閣のてっぺんはなぁ、ひかりの天気予報なんや!」
「なに!?」
なるほど。警察は「光る」部分を無視して大阪城の天守閣からキッドは現れると考えていたが「光る天の楼閣」、「光る」は「光の天気予報」のこと。楼閣とは高層の建物の事。全てに合致するのは通天閣の方だったか。名前にも「天」が入って…いるし……!?
――ドォーン!ドン!ドン!
「大阪城の方で花火が上がり始めたね」
「服部、通天閣はどっちだ!?」
「あっちや!……あっちの方は花火が上がってへんぞ?」
「花火はオレ達の目を通天閣からそらせるためのものだ。でも何故だ、なぜ奴は通天閣に…」
「くっそ、今から通天閣に行っても間に合わへんな」
「ここで迎え撃つしかないね…」
そう言いあっている合間に新ちゃんは西野さんに近づいて。
「西野さん!エッグは今どこに?」
「それが中森警部がどこか別の場所に持って行ったみたいなんだ」
「なんやて!?」
おいおい、奇策のつもりか?今回に限っていうなら最悪のタイミングだ。彼らは8時間後が犯行時刻だと思って今は油断しているだろうしな。
「くっそ!エッグの場所が分からないとどうしようもねーぞ!……な、電気が!?」
……かなり遠いけど爆発音が聞こえた。周りの電気が一斉に消えたってことは変電所か何かを爆破しやがったな……大阪の都市機能がマヒするぞ、くそ…
通天閣はあっちって言ってたな…確かにてっぺんにいるな。白いシルクハットにモノクルを付けた奴が。周りは真っ暗だが≪よく見える≫。…口が動いてる、何か言ってるな?なになに…『ホテル堂島センチュリー』『天満救急医療センター』『ホテルチャンネル10』『難波TMS病院』『…ん?ビィーンゴ!』なるほど、ね。だから停電させたのか。うん?
「あれ?新ちゃんは?」
「あいつなら、スケボーに乗って通天閣の方へ行ってしもたわ!オレ達も追うで、龍斗!」
「…あー、俺はいい。新ちゃんのスケボーって確か夜だと30分しか持たないらしいしバイクは2ケツまで。スケボーの温存のためにも新ちゃんを乗せてあげてくれ。それからエッグは通天閣から南西約2kmの雑居ビルの、多分四階だ。≪そこから匂う≫。明かりがついているから分かると思うから新ちゃんと合流してすぐに向かって。ほら早く!」
「お、おう!任せとき!」
そう言うとバイクを走らせてゲートを出ていく平ちゃん。…新ちゃん、平ちゃん、キッドの位置から考えて先
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