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名探偵と料理人
第二十九話 -世紀末の魔術師(2/6)-
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奴に会ったことがあるし気になって調べてみたんだよ。被害総額は約400億円。…何を探しているかは知らないけどお金が降って湧いてくるわけでもないし人に要らぬ被害を与える奴は好きになれないかな。…早く捕まえないと俺が力づくで捕獲しちゃうよ?新ちゃん、平ちゃん」
「勘弁してくれよ、龍斗…」
「ははは……そうや、お前ら引いたおみくじはどないやったん?」
「え?そんなんまだ見てねーよ」
「俺も」
「なんでや?キッドとの対決を占う大事なおみくじやろ?」
「ったく……」

そう言ってさっき引いたお神籤を開き目を通していく新ちゃん。そしてその後ろから覗き込む平ちゃん。

「なんや、小吉かいな。中途半端なモンひきよってからに。こんなんやったらキッドとの対決、勝てるか負けるかようわからんやんか」
「…ん?」

おや?新ちゃんがとある項目で目を止めた。なになに…

「『旅行:失言で秘密が明るみに出ます。やめましょう』だと?」
(おいおい、まさか蘭に…まさかな)
「ここのおみくじ、よう当たるからな」
「え!?うそぉ!?」
「ほんま♪」
「んにゃろう…」
「…あ、でも対処法も書いてあるよ」
「え?あ、ほんとだ。なになに…『周りの人に助力を求めれば苦難の回避、又は乗り越えられます。一人で抱え込まず、信頼できる友人を頼りましょう』か。…頼りにしてるぜ、平次君、龍斗♪」

そういって覗き込むためにしゃがんでいた俺達二人の肩を笑顔で叩く新ちゃん。

「良い笑顔をしよってからに。やけど、なーんでオレには君付けで龍斗はそのまんまなんや?納得いかん」
「まあまあ」
「はっはっは。それで?龍斗の方はどうなんだよ?」
「俺?俺はね―――……」





その後、俺らはあーでもないこーでもないと議論をしながら平ちゃんに連れられて大阪観光にしゃれ込み、7時を過ぎたあたりで一度鈴木近代美術館に戻ってきた。
ん?

「――と申します。こちらは執事の沢部です。このパンフレットに載っているインペリアル・イースター・エッグについて是非とも会長さんに会ってお話したいことがあるんです」
「生憎と、会長は今出ていまして…」
「エッグの写真が違うんです!曽祖父の残した絵と」

美術館のゲートを入って少ししたところで西野さんが誰かと話していた…あれ?あの人は…

「お?こらおもろいな。午前3時が「L」なら今は「へ」や」
「へ?」
「今、7時13分やけど20分になったら完璧な「へ」の形になるで」
「!!」(黄昏の獅子から暁の乙女への「へ」は頭から数えて12番目!)
「服部、龍斗!キッドの予告した時刻は午前3時ではなく午後7時20分だ!」
「なんやて!?」

そう言うと、新ちゃんはスケボーを持ってゲートの方へ走り出した。


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