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名探偵と料理人
第二十八話 -世紀末の魔術師(1/6)-
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関西じゃ有名なんだってさ」
「おお。それは頼りになりますな」
「おおぅ。任せとき、おっちゃん」
「おまえなあ!鈴木財閥の会長に向かっておっちゃん「平ちゃん?」と…は…」
「な、なにかな?龍斗君?」
「初対面の目上の人に「おっちゃん」はないんじゃ、ないかな…?」
「せ、せやな。すまんかったのう、会長ハン」
「(ねえねえ、もしかして服部君って)」
「(蘭ちゃんの思ってる通りや。小さい時から龍斗君が失礼な行動をするたんびに矯正されとってな。今でもちょっとしたトラウマになっててん。まあ平次の両親は躾してくれてありがとーってわらっとったけど)」
「いや、いや気にしていないよ。ああ、紹介しましょう。こちらロシア大使館・一等書記官、セルゲイ・オフチンニコフさんです」
「よろしく」
「お隣が早くもエッグの商談でいらした美術商の乾将一さん。そして彼女はロマノフ王朝研究家の浦思青蘭さんです」
「ニーハオ」
「そしてこちらがエッグの取材・撮影を申し込んできたフリーの映像作家の寒川竜さん」
「よろしく〜」
「しかし、商談とは。いくらくらいの値を?」
「八億だよ」
「は、八億ぅ!?」
「譲ってくれるならもっと出してもいいぞ」
「会長さん、インペリアル・イースター・エッグは元々ロシアの物。こんな怪しいブローカーに売るくらいなら我々ロシアの美術館に寄贈してください!」
「怪しいだと!?」
「いいよいいよー、こりゃエッグ撮るより人を撮ってる方がいい画が撮れるな。…中国人のあんた、他人事みたいな顔してるけどロマノフ王朝研究家ならエッグは喉から手が出るほど欲しいんじゃないの?」
「ええ。でも私には八億なんてお金はとても…」
「そうだな、俺もかき集めて2億がやっとだ」
「(おいおい、キッドだけじゃなくて皆エッグを狙ってるのかよ)」

何とも香ばしい人たちが集まってるなあ。しっかし八億ねえ。

「八億か、あるところにはあるんやねえお金。そんだけあればウチのお小遣いももっと増えるのに〜」
「和葉ちゃん…この場じゃ出せる人間が過半数があるっていう珍しい場になってるけどね」
「え?」

この場にいるロシアがバックにいるセルゲイさんと乾さんは出せる、青蘭さんと寒川さんは出せない。そして俺達の中でも鈴木財閥、大岡家、新ちゃんも優作さんの資産を考えれば余裕で出せるし、服部家、遠山家も家の規模を考えればいけるだろう。毛利家も小五郎さんと英理さんの人脈は寒川さんの比じゃない。かき集めればたぶん行けるだろう。
そして人脈といえばうちはワールドワイドだからね。そして俺個人としても。

「俺も、中東の王族から1年契約で数億って言われたこともあるしね」
「そ、そら豪勢なこって。流石はオイルマネーで潤ってるだけはあるんやなぁ」

まあ、家の両親はも
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