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名探偵と料理人
第二十八話 -世紀末の魔術師(1/6)-
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さんと違う体臭だったから問い詰めたら案の定でね」
「な、なんですぐに教えてくれなかったんだ!…たの?」
「まあ、警察の方や探偵もいたし朋子さんがキッドが来ること前提でパーティを組み立てていたみたいだから。ちょっと迷ったけど一料理人が手を出すことじゃないかなって。まあもし史郎さんに危害が加えられているようだったら今頃活動は出来てないだろうけどね…」
「そ、そうなんだ。で、どんな感じだった?顔は?見たの?」
「変装を解いたのは見てないけれど。多分あれはまだ10代の子だね、匂い的に。あのあとちょっと調べたけどおそらく彼は二代目じゃないかな?」
「な、なんだって!?そんなの警察も手に入れてない情報じゃないか?」
「さあ……流石にそこは分かっているんじゃないでしょうか。ああ、でも変装の名人だから顔では判断がつかないですかね?」
「じゃあ、私とキッド様はお似合いなカップルになるわね!ああ、泥棒とその泥棒のターゲットのお屋敷のお嬢様のラブロマンス…素敵だわあ」
「もう、いい加減にしなさいよ園子」
「ま、まあ言うだけならなんら問題はあらへんて、蘭ちゃん」
「…あ、そうそう。紹介し忘れてたけどこの車の運転をしてくれてるの、パパの秘書の西野真人さんよ」
「よろしく」

そう言って軽く会釈をする西野さん。

「彼ってずっと海外のあちこち旅をしていて英語、フランス語、ドイツ語がペラペラなのよ」
「へえ、すごい!」
「そういえば龍斗も色々喋れるんやったんやなかったっけ?」
「んー?英、仏、独、中、葡、西、露、あとはアラビア語にトルコ語かな。料理の本を読むために勉強した成果だから発音とかはちょっと怪しいかも知れないけどね」
「ええ〜そんなに喋れるの!?」

白玉に貰った言語チートは伊達じゃなかった。今言った言葉以外もいくつか修得したものはあるし、驚いたのは聞いた事の無い言語でも法則性や会話を2時間程聞けば簡単なものを理解できるようになってしまうのだ。
そんな感じに雑談をしているとリムジンは順調に道程を消化し無事鈴木近代美術館に到着した。入り口には警察の機動隊の人が数名警備にあたっているのが見える。
全員が降車し、あたりを見渡してみると入り口だけでなく敷地内には制服の警察官が所狭しと立って警戒に当たっていた。…おいおい、100人以上いるぞ。

「すごい警戒ね」
「まさに蟻の入る隙間もねえって感じだな」
「あったりまえよ、相手はあの怪盗キッド様。なんたって彼は…」
「神出鬼没で変幻自在の怪盗紳士。固い警備もごっつい金庫もその奇術まがいの早業でぶち破り、おまけに顔どころか声や性格まで正確に模写してしまう変装の名人ときとる。は、ほんまに厄介な相手を敵にまわしたのう…」

そういって、園子ちゃんのセリフに割り込んだバイクに乗った青年はヘ
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