第二十七話 -黒の組織との再会-
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私は神に生きることを許されているのかしら?』
『あ、あんた。何言ってんだ…?あ!!』
そう言うと彼女は開いていた窓から身を投げた。カメラは彼女が落ちて行って川に着水するまでの一部始終と車内のパニックの様子を淡々と撮り続けていた。
「○○鉄道はすぐに警察に連絡。現在も彼女の捜索が続いています。日中の、しかもカメラに収められた彼女の凶行。安否が気にかかります。乗客からは彼女の座っていた席から彼女の物と思われる松葉づえを持って行った怪しい人物がいたという証言もあり自殺なのか何らかの事件に巻き込まれたのか捜査が…」
―
「「「……」」」
あ、れは。私。間違いなく、今朝私に変装した緋勇君の私だ。
「ね、ねえ。ねえったら!」
「……あ、ああ。なんだ灰原」
「なんだじゃなくて!彼に連絡は!?」
「そ、そうだな!…なんだ、んで携帯に出ねえんだよ龍斗!!」
「と、とにかくワシは龍斗君の家に行ってみる!」
「頼んだぜ、博士!」
なんて無茶なことを。私なんかのためにあんなことをしでかすなんて!やっぱり今朝もっと強く止めるんだった。
結局、携帯はつながらず緋勇君の家に行った博士も彼には会えなかった。ただ家にいた彼の彼女からは、携帯にでないのは家に忘れているから。すぐに戻ってこないのはなにかやってるんだろうとのことだった。
「そっか、紅葉さんはそんなことを…なんか連絡を貰ったのか?」
「いや、行った時の様子から何ともない中彼の無事を確信しているようじゃった。根拠はないとはいっとったが」
「…ねえ、工藤君。なんで彼はこんな私のためにここまで?」
「あん?それは…龍斗だからさ。アイツはテメーの事より他人のために動く。やれることが人よりぶっとんでるからそうは見えないかもしれねえけどな。まあ、誰でも彼でもってわけじゃねーけどよ」
私は彼に何かをしただろうか。
「ま、龍斗はお父さん気質だからな。危なっかしい娘を守ろうとする父親とでも思っとけ」
「…なによそれ」
そして博士からの報告を聞いた彼の様子はさっきとは打って変わって冷静なようだった。
なぜ?無事だと分かったわけでもないのに。
「なんで落ち着けたかって?そりゃあ、あれだ。よくよく考えたら龍斗が紅葉さんを悲しませるようなましてやオレ達に心配をかけるようなことはしねーよなって思い至ったからさ。心配っちゃあ心配だがすぐに会えるさ」
…よく、分からない。どうしたらそんなに他人を信頼できるの?……いつか私もそう思えるような人が現れるの?…分からないよ、お姉ちゃん…
ふいー、参った。上手く奴らの網に引っ掛かったのか東京駅あたりから尾行する奴らが現れたから計画通り群馬県に移動して○○鉄道に乗って
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