第二十七話 -黒の組織との再会-
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指紋を指に張り付ければ完成…と。
「どうかしら?あなたの目から見て私に違和感はない?」
「…気持ち悪いくらい私ね。鏡じゃない私がいるなんて悪夢のようだわ」
「なんというか。前にも見とったが龍斗君の変装は見事なもんじゃな」
「怪盗なんてやんなよ?マジで。キッドより手強くなりそうだから」
「見た目に違和感ないのならちょっと行ってくるわね。多分3時過ぎのワイドショーには私が何をしたのかが分かると思うから見ておいてね」
「先に教えてもらえんのかの?」
「言ってもいいのだけれど哀ちゃんがダメって言うから。それじゃあ、またね」
「…そういえばなんで私に変装を…ってまさか!?やめて!!あなたたちもあの人を止めて!危険すぎるわ!!」
そんな声が博士邸に響くのを聞きながら俺は彼らの目が届かなくなったところで裏のチャンネルを開いて、渋谷の人気のない路地にとんだ。さてと、帽子にサングラスと松葉づえを装備してっと。しっかり網を張っててくださいよ?組織の皆さん?
緋勇君が出て行ってもうすぐ7時間。彼が言っていた3時になろうとしていた。
緋勇龍斗…工藤君の幼馴染みで彼や私の幼児化を知っている人。料理の神と呼ばれる両親を持つ自身も13という若さで世界一の称号を手に入れた天才料理人。何度か彼のお料理を頂いたことがあるけれど彼の評価が過大評価ではなく…むしろ過小評価なんじゃないかって言うくらい美味しかった。でも普段の彼は…とても世話焼きな人。ただ甘やかすだけでなくしっかりと締める所は締めるって言うのは国立競技場の事件で分かった。私にはお姉ちゃんしかいなかったけど、お父さんとかお兄さんとかはあんな感じなんだと思う。とても温かい人。でもこれだけは認められない。科学をバカにする身体能力。博士の作るゲームにもあんなでたらめな人間はいないわよ。生まれてくる世界を間違えたんじゃないかって非現実的なことを私が考えてしまうくらいに。
「どうかな?哀ちゃん。おかゆの味は?龍斗君と比べられると困るけど男料理としては中々なものだと思うけど」
「え、ええ。とても美味しいです。ありがとう」
「いえいえ」
そして二時過ぎにおかゆをもって来たこの人。緋勇君に私の事を聞いて来たと言っていた。私が博士の家にお世話になり始めたくらいから緋勇家に雇われた家政夫の辻本夏さん。私はこの人が…嫌い。その顔、しぐさ、所作のすべてがお姉ちゃんに重なる。でもこの人は男性。一度転びそうになったところを助けてもらったときに胸に抱きかかえられたことがあったけど、彼がタンクトップを着ていたこともあって胸元が見えた。あれはまごうことなき男性だった。
このおかゆもそう。男料理なんて言ってるけど味付けの工夫がお姉ちゃんそっくり。今も美味しいの言葉に笑顔を浮かべてい
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