第二十六話 -二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件-
[7/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「ほう?だが、魚か何かがはねただけじゃねえのかい?」
「聞いたのは船内です。流石に魚が跳ねたような音じゃあ聞こえませんよ。人が落ちた時くらいじゃないとね」
「さっきも言っていたけど襲われたんだって?何を根拠にそんなことを言ってるのよ?」
「これを見てください」
「これって…血痕か!?しかもまだ乾いていない、ついさっきついたみたいだな」
「じゃ、じゃあ。服部君、本当に襲われて海に…!」
「そうなるね、蘭ちゃん。そしてなぜ殴られたのか。小五郎さん、舳先の方を見てください。船の側面です」
「あ、ああ。船の側面って…おいおいおい!ありゃあ、蟹江さんじゃねえか!」
「ええええ!?」
なるほどね、彼が蟹江さん。てことは爆発の方は亀田さんだったってことか。
「その蟹江さんの意識が戻れば誰が彼を襲ったのかはわかると思いますが。ここに動かぬ証拠を身につけている人いますし先にいっておきましょうか」
「な、何?」
蟹江さんをデッキに引き上げた後、俺はそう言って鯨井さんに近づき左手をとった。
「な、なんだね」
「鯨井さんのシャツ、暗赤色で気づきにくかったようですが。袖口に血がついてますよ?誰の血なんですかね?」
「!!」
「おい、見せろ!…確かに分かりにくいがこれは血だな。どういうことだこれは!?」
「い、いや。これは」
「デッキの血と照合してもいいんですけどね。…彼に聞いてもいいし、彼から血を提供して貰ってもいいかもしれないですね」
「彼?」
「あ、平次兄ちゃんだ!(よかった、無事だったんだな、服部!)」
話をしているうちに平ちゃんが落ちたあたりまで戻ってきていたらしく、無事彼を回収することができた。頭に怪我をしていたが意識はしっかりとしていてしっかりと鯨井さんに殴られたことを証言してくれた。
往生際悪く、爆発したときに皆がいたのに自分じゃ犯行は不可能だと喚いてきたが、そこは新ちゃんが小五郎さんを眠らせ煙草を使ったトリックを暴き引導を渡していた。
そんなこんなしていると船の後方で大爆発が起きた。…今更だが、船とつないでてよかったな。鞄だけで捨ててたら海流に流されて平ちゃんとかちあったり逆走した船とも遭遇してたかもしれない。確実に船の後方100mになるようにボートに乗せて流しておいてよかった。
その爆発を機に、次々と乗客が自分の素性を話し出した。殺された銀行員の父親に恋人、そして叶才三の娘。鯨井さんは20年間気付かなかった「古川大」の意味を聞き、意気消沈してしまった。
―
「ったく。結局オレが海を漂ってる間にぜーんぶかたづけよってからに。また龍斗に持ってかれたか」
「今回は新ちゃんと俺の合わせ技だよ。いや、犯人のしっぽを出させたって意味では三人の…かな?」
「そー言えるっちゃ言えるか?しっか
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ