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とある3年4組の卑怯者
113 中部大会
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参加者の練習が終わり、開会式が始まった。
『これよりアマチュアスケート大会小学生男子の部中部大会を始めます。まず始めに開会の言葉としてスケート協会長野県支部・山里薫(やまざとかおる)会長よりご挨拶です』
「皆さん、本日はご来場いただきまして誠にありがとうございます。この大会には信越、東海四県、北陸三県のそれぞれの地区大会で銅、銀、そして金の受賞した人達が集う場所、是非皆さんには地区大会で見せた素晴らしい演技を私達に見せるようにがんばってください。そして、各参加者の素晴らしい演技を是非皆さまもご覧になさってください。では、私はこれで以上となります。ありがとうございました」
『山里様、ありがとうございました。それでは、審査員の紹介と参ります』
 アナウンス係が審査員の紹介をする。同時に1番目の出場となる富山県の銀賞の選手が誘導係に呼ばれて向かった。遂に始まったと藤木は緊張した。そして参加者たちが次々と演技を見せていく。そして和島の番が来て、和島はリンクへと向かった。
(さて、和島君、君の新しい技ってどういうものか見せてくれよ・・・)
『8番、和島俊君。静岡県船越小学校』
(和島俊、地区大会にも出ていた四回転アクセルを得意とする彼か・・・!)
 片山も地区大会で見ていたため、和島の凄さを知っていた。
 和島がステップを踏み出していく。そして、ダブルルッツ、トリプルフリップ、次に、トリプルトウループ・・・、と思ったが、ジャンプの威力が足りず、シングルとなってしまった。
(そんな、だが、あの技は絶対に成功させてみせるぞ!)
 和島はとっておきの技を残していた。そしてターンをして、足換えシットスピンを見せた。そしてステップシークエンスを見せる。
(四回転アクセルは最後まで取っておくのかな・・・。それとも新しい技とは四回転アクセルじゃないのか?)
 藤木は和島の新しい技とは何か気になった。和島はここで四回転アクセル行った・・・、が、着地に失敗した。転倒して手をついてしまった。藤木はまさか和島が失敗するとは思わなかった。和島は気を取り直し、フライングシットスピンからもう一度四回転アクセルに取り掛かった。しかし、次は高く跳べなかった為に、ダブルアクセルとなってしまった。
(そんな、ボクの四回転アクセルが・・・!!)
 和島はダブルサルコウからのコンビネーションスピンを行った。そして、シットスピンを行い、そこからトリプルトウループを見せた。最後は決まった。拍手は送られた。
(シットスピンからのトリプルトウループか・・・。さすがに僕もそれは凄いと思うよ!さっきの四回転アクセルの失敗を帳消しにできるかもな・・・)
 藤木は和島にやや脱帽した。しかし、和島は四回転アクセルの失敗の悔しさを見せてリンクから引き上げたのだった。
(どうか、僕は失敗をしな
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