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転生とらぶる
ペルソナ3
1974話
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く、それでいて美鶴の能力を考えると……桐条グループ直属の、シャドウ対策班とかそんな感じで」

 武治が来る前に美鶴の口から出た内容、それは影時間はともかく、シャドウそのものは以前からこの世界に存在したという話。
 つまり、影時間が解決してもシャドウそのものは消えたりしない事を意味している。
 であれば、影時間を通してこの世界で恐らく唯一シャドウに対してノウハウのある桐条グループが対シャドウ対策班のようなものを作るというのは、それ程おかしな話ではないだろう。
 何だかんだと、折角ここまでノウハウを溜め込んできたんだ。影時間の件が解決したからって、それを過去のものとする必要はない筈だ。

「美鶴はペルソナに関しては第一人者なんだろう?」

 俺が聞いた情報では、美鶴が初めてペルソナを覚醒した人物という事になっている筈だ。
 勿論実際には過去に同じようなペルソナ能力者がいた可能性は高いが、取りあえず現在進行形でペルソナ使いという事では、美鶴が一番経験が長いのは間違いない。
 もっとも、経験が長いからといって能力が優れているって訳じゃないが。
 実際、まだペルソナ使いとして覚醒してから半年程度のゆかりが、現在俺の知っている限りでは最強のペルソナ使いだし。
 また、使用しているペルソナの潜在能力という点で考えれば、荒垣やコロマルのペルソナの方が明らかに高い。
 特に荒垣のカストールは、能力が高い為に最初は荒垣がコントロール出来なくなる時とかあったしな。
 かなりのシャドウを倒して経験を積んだ今では、到底そのような事はないが。
 ……もっとも、その荒垣は最近連絡が取れないし、ポートアイランド駅に行ってもいないんだが。

「シャドウの対策班となれば、何かあった時には桐条グループが即座に対応出来るし、普段はそこまで忙しくないから、美鶴が学校に行く時間も取れる。……どうだ?」
「それは……」
「ふむ」

 美鶴と武治の2人は、俺の言葉に戸惑った様子を見せる。
 両方の意見を通した形だから、それなりにいいアイディアだと思うんだが。
 そんな中、最初に口を開いたのは俺にとっては予想外な事に、武治だった。

「なるほど、アクセルの意見は検討に値する。だが……美鶴、お前ははどう思う?」
「私ですか? その……正直なところを言わせて貰えば、あまり気は進みません。進みませんが……他に何か良いアイディアがあるかと言われれば、ありません」

 美鶴にとって、現在最も急いでするべきことは、武治の負担を減らすこと。
 そして、武治にとって影時間というのは、桐条鴻悦という自分の父の件もあって、かなり負担を掛けている場所だ。
 その影時間やシャドウについて、美鶴が大きな力となれるのであれば……それは、間違いなく武治の負担の軽減に繋がる。

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