第三章
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彼等の所業や実名、学校や住所や親の会社に実名及び勤務先までネット上で公にして糾弾を募った。その結果。
岩清水自らが率いる糾弾者達に徹底的に連日連夜に渡って学校や自宅に殺到されたうえ吊し上げられ全員一家無理心中に追い込まれた。その屍までネットで公開されて嘲笑われるという末路であった。
そうした末路もあった、だがいじめられっ子も猫も救われ。
喜平次はよしとした、そのうえでいじめられっ子と共にトレーニングに励む中で彼に尋ねた。
「そう、猫もだね」
「はい、今は普通にです」
「歩いて御飯を食べているんだね」
「そうなりました」
「それは何よりだよ」
喜平次はこのことに素直に喜んで言った。
「君が助かってね」
「僕の猫もですね」
「助かってね」
そうなってというのだ。
「本当によかったよ」
「はい、けれどもう」
「二度とだね」
「いじめられたくないです、そして」
「飼い猫もだね」
「はい」
いじめられっ子は喜平次に強い声で答えた。
「もう二度とあんなことをされない様に」
「強くなるね」
「そうなります、喜平次さんみたいに」
彼本人に言った。
「強い人になります」
「そうなってね、じゃあね」
「はい、こうしてですね」
「トレーニングをするんだ、心身を鍛えたら」
「もうですね」
「誰にもいじめられなくなってね」
そうしてとだ、喜平次は彼に話した。
「猫もね」
「守れる様になりますね」
「力は誰かを守る為にあるものなんだ」
「自分自身を、大切なものを」
「そう、その為にあるものだよ」
「喜平次さんのお力もそうだね」
「僕達の力は暴力の為にはないんだ」
このことを言うのだった、彼にも。
「間違ってもね」
「誰かを守る為にあるんですね」
「大阪を、そして君達をね」
「そうですよね、じゃあ僕も」
「守れる様になる為に」
「強くなります」
喜平次に約束した、強い声で。
「絶対に」
「頑張るんだよ、僕だって最初から強くなかったから」
「喜平次さんもですか」
「修行して強くなったから」
「僕も修行すればですね」
「強くなれるから。頑張るんだよ」
「わかりました」
彼は喜平次と共にトレーニングに励んだ。喜平次もその彼と共に汗をかいた。そのうえで家に帰って犬や猫達の世話をするが。
その時にだ、家族にこう言った。
「自分より弱い相手を痛めつけるとかね」
「あんたはそれはしないね」
「そんなことをする位なら死んだ方がましだよ」
こう母に言った、そしてだった。
彼等の世話をしていった、一匹一匹公平かつ丁寧に。それが大阪二十六戦士の一人である彼の姿だった。
大きな身体でも 完
2018・2・2
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