ペルソナ3
1973話
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……あの死神がハイレグアーマーとかを宝箱に入れてる光景は想像出来ない。いや、したくないというのが正直なところか。
ともあれ、話が一段落したところで、俺は隣に座る美鶴に視線を向ける。
その意味を理解したのだろう。美鶴は小さく息を吸い、やがて口を開く。
「お父様、実は私は月光館学園を卒業した後、桐条グループの経営に関わりたいと思います。具体的には……」
「馬鹿を言うな」
最後まで言わせず、武治はそう告げる。
先程までは満面の笑みという訳ではないが、多少なりとも嬉しそうに笑っていた武治だったが、今は桐条グループの総帥らしい……もしくは美鶴の父親らしいと言い換えてもいいが、鋭い視線を美鶴に向けていた。
そんな父親の姿に、美鶴はそれ以上何も言う事が出来なくなる。
美鶴も、まさか自分の父親にそこまで反対されるとは思っていなかったのだろう。
勿論全面的に受け入れられる……とまでは思っていなくても、それでも理解して貰えると、そう思って……いや、期待していた。
それでもずっと黙り込んだままではなく、すぐに気持ちを切り替えて口を開こうとした辺り、美鶴らしい強さと言ってもいい。
「ですが、お父様。私も桐条家の一員として……」
「桐条グループの経営に関わるには、お前はまだ勉強不足だ。それこそ、大学に行ってその辺りをしっかり勉強してからでも遅くはない」
ぶっきらぼうな言葉だったが、その言葉の中には美鶴を思う親心がある。
美鶴もそれを知っているからこそ、言葉に詰まってしまうのだろう。
だが、美鶴の方も武治の手伝いをしたいと思っている以上、こう言われてはいそうですかと退ける筈がない。
……さて、これからどうなることやら。
そんな風に思いながら、俺は二人のやり取りを見守る。
進路相談をしている親子に、全く関係のない俺がこの場にいるという点に疑問を抱きながら。
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