ペルソナ3
1973話
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はそれは違うと美鶴は言う。
それはつまり、もし影時間の件が解決しても、シャドウという存在はまだ生き残り続けると、そういう事になる。
それこそ、俺達が解決しようとしている影時間の規模程ではないにしろ、この世界のどこかでシャドウに喰われた影人間……無気力症と呼ばれている者が増えるという事になる。
「それ、本当なのか?」
「事実だ」
俺の疑問に答えたのは、今まで話していた美鶴ではなく、襖を開けて入ってきた人物……武治だった。
「お父様!?」
「遅れてすまんな。こっちのほうでも色々と面倒な事があってな」
「例の裏切り者か?」
「そうだ。……残念ながら、まだその正体は掴めていないがな」
そう告げる武治だったが……さて、それは本当なのやら。
幾月を信頼している美鶴の事を考えると、もしその辺りについて調査が進んでいても、娘を心配させるような事はしたくないと、敢えて何も言わないようにしている可能性はある。
「いえ、お父様も忙しいのですから、それは分かっています」
そう告げる美鶴に、武治は小さく笑みを浮かべる。
厳めしい顔つきの武治だったが、それだけにこうして笑みを浮かべるとどこかふんわりとした感じがする。
もっとも、娘に対して素直に礼を言う事が出来ない辺り、不器用なんだろうが。
美鶴の方もファザコン気味と言ってもいい程に武治の事を好きなのだが、お互いに不器用なせいでそれをしっかりと口にする事が出来ない。
色々な意味で、お互い気まずい感じだよな。
「さて、折角この店にきたのだ。美味い料理を食べるとしようか」
そう言い、武治は料理の用意されていた場所に座る。
料理は出来たてを食べるのが一番美味いんだが、こういう店の料理だと冷めても美味いようにと色々工夫してるんだよな。
……それでも、やっぱり出来たてが美味いのは間違いないと思うんだが。
ともあれ、こうして今日の予定通り3人が揃ったので、色々と話をしながら食事をする。
当然その会話の中にはシャドウ関連のものもあった。
「そうか、封印のある階層まで到着出来たか」
俺が89階まで到達したと聞き、武治は微かに嬉しそうな表情を浮かべる。
「封印はイレギュラーシャドウを倒せば解かれる。だとすれば、やっぱり次の満月までに封印されている階まで行った方がいいのは間違いないしな」
「ああ。……やはり、レポートが?」
「あったぞ。もう桐条グループの方に渡してあるが」
「そうか。だが、一体誰がそのような真似を……」
「さてな。それは俺にも分からないよ。そもそも、タルタロスにある宝箱を誰が補充しているのかってのもまだ分かってないんだし」
一番可能性の高いのが、階とかは関係なくあらゆる場所を移動している死神だったが
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