第31話 ボース地方での災難
[6/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
の人が手を止めてオリビエさんの演奏に夢中になっている。
しばらくして演奏が終わるとオリビエさんを称賛する人たちの拍手がレストランに響き渡った。
「いやー、我ながらいい一曲が疲労できたと思うよ」
オリビエさんは上機嫌でこちらに戻ってきた。
「驚きました、オリビエさんってピアノが上手なんですね」
「どうだい?惚れ直したかい?」
「最初から惚れていませんから」
「つれないねえ……」
その後は支配人さんがお礼といって結構高そうなワインを3本ほど無料で提供してくれた。俺は未成年だったので飲まなかったがオリビエさんは美味しそうにワインを飲んでいた。
「それにしてもリベール王国はいいところだね〜、最初のボースでこれなら残りの都市も周るのが楽しみになってきたよ」
「そういえばオリビエさんはエレボニア帝国から旅行に来たんですよね、ということは貴族の方なんですか?」
「うん、僕は貴族の生まれさ。まあそこまで偉い貴族じゃないから畏まらなくてもいいよ。僕はそういうのがあまり好きじゃないからね」
「そんな風に顔を真っ赤にしている人が偉い貴族とは誰も思いませんよ」
オリビエ・レンハイムか……猟兵をやっている都合上名のある貴族は知っているがレンハイムという名前の貴族はあまり聞いたことがない。まあ本人が言う通りそこまで位の高い貴族じゃないんだろう。
「あや〜、ワインが無くなっちゃったね。ちょっと貰ってくるよ」
「まだ飲むんですか?呂律も回ってないしもう止めといたほうが……」
「大丈夫だって。じゃあちょっと行ってくるよ」
オリビエさんはそう言って席を立つ。というか注文すればいいのに態々自分で取りにいくのか……
「ただいま〜」
「おかえりなさい、結局自分で貰ってきたんですね」
「まあね、それよりも見てよ、リート君。これ美味しそうなワインだと思わないかい?」
「ワインには詳しくないんで俺には分からないですよ……」
「リート君、これ美味しいよ。君もどうだい?」
「だから飲めませんってば……」
俺はそう流してオリビエさんがワインを飲むのを見ていた。お酒は飲んだことないわけじゃないけど積極的に飲もうとするわけでもないからな、それに酔っ払った団長達を見てるとああはなりたくないって思うのもあるかもしれない。実際目の前に凄い酔っ払いがいるしね。
「ああ!何てことをしてくれたんですか!?」
「うん?」
その時だった、何やら慌てた様子でこちらに来た支配人さんがオリビエさんの飲んでいるワインを見て驚愕していた。
「あの、何かあったんですか?」
「何かあったんですかじゃありませんよ!そちらの方が飲んでいるワインは『グラン=シャリネ』というオー
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ