第四十九話 安くったって良いじゃない、水着回なんだから
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に佐天さんから声を掛けられた。
「うん、良いよー。良いよね?」
「はい、勿論です」
俺は佐天さんに答えるが、ふと気になったので湾内さんに聞いてみると快く了解を得られた。
「佐天さん、初春さん、プールに入る前にちゃんと準備運動しようね」
「あ……わ、分かってますよ。ちゃんとやれば良いんでしょ」
「佐天さんってば……」
俺が注意すると、勢いよくプールに飛び込もうとしていた佐天さんが急停止して準備運動を始める。それを見た初春さんはやれやれといった表情で準備運動を一緒にしていた。
「常盤台のプールって冬でも泳げるんですねー」
「ええ、でなければ冬場に部活動が出来ませんし」
「そうなんですねー」
佐天さんが湾内さんとおしゃべりをしている。そこで何となく既視感を感じてしばらく考えているとようやく思い出した。
「あっ! 常盤台の眉毛事件だ!」
「え? どうしたんですか? 神代さん」
俺が思わず声を上げてしまうと、佐天さんが聞き返してくる。
「いやー、今の状況が何となく引っかかってて、ずっと考えてたんだけどね。犯人が誰かを狙ってる状況で佐天さんが声を掛けたじゃない。その時に狙われてたのが多分湾内さんだ」
「え、そうなの?」
俺が答えると佐天さんは湾内さんに尋ねる。
「え……っと、そう言われましても私には何が何だか分からないのですが……」
「まー、そうだよね。狙われただけで襲われたわけじゃ無いからその時は気づいてもいなかったはずだし」
困惑した状態で湾内さんは答えるが、事前に防いでいるので湾内さんが知っているはずも無いのである。そんな話をしていると、今度は初春さんの方が何か思い出して口を開く。
「そう言えば、あの時事情聴取されてたのって婚后さんだったような……」
「うん、そうだね。あの扇子で眉毛隠してたし確かに婚后さんだったよね」
事情聴取の映像で婚后さんの証言を見ていたので、何となく印象には残っていたのだろう。確か佐天さんはその時気絶していたままだったはずなので映像は見てないと思う。
「どういうことなのでしょう?」
未だに困惑中の湾内さんを尻目に柵川組だけで勝手に盛り上がっていたので、泡浮さんから尋ねられる。
湾内さんが落ち着いてから、プールサイドに座って重福さんの起こした眉毛事件を話す。初春さん自身には守秘義務のような物があるのかも知れないが、俺と佐天さんと御坂さんは部外者なので大丈夫だろう。そもそも、事件の内容をしゃべってはならないという書類にサインをしたことも無いのだから、大丈夫のはずである。とは言え、流石に重福さんの名前や捜査関連の細かいことなどは話さない。
「神代さん、そ
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