第四十九話 安くったって良いじゃない、水着回なんだから
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た返しているはずで、この人数の貸し切り状態で遊ぶことは難しいだろう……いや、御坂さんとかなら貸し切りに出来そうな気がしなくも無いが……。
砂浜の方を見てみると、白井さんと追いかけっこをしている御坂さん達はそのままに、常盤台水泳部の人はビーチバレーをしていて、固法さんはハンモックでくつろいでいて、初春さんと佐天さんは砂のお城を作って遊んでいる。ってか、砂のお城は何故か日本の城でしかも完成度が凄かったりするのにはちょっと驚いた。だが、初春さんが人柱として埋められていて天守閣の上から顔を出しているので、何だかお城モチーフの合体ロボに見えなくも無いという微妙に勿体ない状態である。
恐らくそこそこ撮影されたであろうぐらいには泳いで、さすがに体が冷えてきたので浜辺に上がり、浮き輪を元の位置に戻すと近くに並べてあるトロピカルドリンクを一つ取る。
「これ、飲んでも大丈夫ですか?」
適当にドリンクを持ち上げつつ適当に虚空に話しかける。端から見れば「何やってんだコイツ?」的な行動だが、俺の予想が間違ってなければこれで良いはずである。
『はい、飲み物や食べ物は全て本物を用意していますので、ご自由にお取り下さい』
「ありがとうございます。では、いただきます」
思った通りに答えが返ってきたので、俺はストローに口をつける。思ったほど炭酸は強くなくて飲みやすかった。中に入っていたメロンやサクランボを食べ終わると、他のトロピカルドリンクを二つお盆に乗せて佐天さんと初春さんの所へ持って行く。
「飲む?」
「あ、神代さん。ありがとうございます」
「ちょっと、佐天さんだけずるいですよー」
佐天さんはすぐに俺からドリンクを受け取るが、初春さんは砂の城に埋められた状態なので全く手が出せない。仕方が無いのでストローを初春さんの口元まで持って行く。
「はい、どうぞ」
「あ、ありがとうございます」
初春さんはストローで飲み始め、あっという間に飲み干してしまった。
「ぷはーっ、おいしいですねー」
「初春早っ!」
飲み終わって感想を言う初春さんに佐天さんがツッコむ。佐天さんの方は少しだけ飲んだ状態で、グラスに刺してあったパイナップルをかじっていた。
一応初春さんの分はまだ果物が残っているので、砂を水平に均してお盆を置くと、そこに初春さんのグラスを置いておく。
「じゃ、ウチは他にも差し入れしてくるね」
「いってらっしゃーい」
「ううっ、出来れば助けて欲しかったですぅ」
俺がその場を離れようとすると初春さんが涙ながらに助けを求めてきたので、佐天さんに一言言っておくことにする。
「あー、佐天さん。その状態じゃあ初春さんの水着が見えないから、ちゃんと水着が
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