第八十六話 悪巧みは巧妙に
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」
「そうだ、それに付いて昼から、ノイエ・サンスーシで会議を行うので参加せよ」
「はっ」
そう言って電話は切れた。
オフレッサーは、昼からか準備をせねばなと考えていた。
電話を終えた、エーレンベルク元帥を見ながら陛下が御苦労じゃったと仰っていた。
■オーディン ノイエ・サンスーシ 小部屋
会議前に皇帝、テレーゼ、グリンメルスハウゼン、ケスラー四者による会議の内容についてのレクチャーが行われていた。
「今回のオフレッサー邸襲撃はフレーゲル男爵の言葉を曲解したクラーマー憲兵副総監のスタンドプレーと言う事は明白です。又クラーマーはひたすら、ブラウンシュヴァイク公爵とフレーゲル男爵に示唆されたと言っております」
「ケスラーの言うとおり、録音や録画を見れば判りますね。
フレーゲル達は本来近所の嫌がらせ程度のことをしようとしていたようですが、
クラーマー中将がフレーゲルの頼みをブラウンシュヴァイクの頼みと勘違いし、
得点をあげようと大事件に発展したと言う事ですね」
「そうなると、クラーマーの処罰は勿論じゃが、フレーゲル男爵以下の者達に対する処罰も行わなければ成りませんの、ブラウンシュヴァイク公爵はフレーゲル男爵への監督不行ですかの?」
「そうじゃの、オットーを処罰するとしても、余りしすぎは良くなかろう」
「お父様、宜しいでしょうか?」
「テレーゼ何か考えが有るのか?」
「はい、今回の件を持って憲兵隊を徹底的に清掃する事と共にもう少し利用しましょう」
「利用とはなんじゃな?」
「下手に今回のフレーゲル一党の関与を表沙汰にすれば、喜ぶのはリッテンハイム候でありましょう。そうなりますと、ブラウンシュヴァイク公の勢いが減りすぎてバランスがとれなくなります」
「確かにそうなりますの」
「さらに、今回の憲兵隊の綱紀粛正で門閥貴族の中から反感を持つモノが出てくるでしょう。それをフレーゲルの罪を不問にする代わりに、ブラウンシュヴァイクに協力させるんですよ。そうすれば、リヒテンラーデでも反対出来にくく成るでしょう」
「成るほど、只単に罰してしまえば、恨みが残るだけじゃが、
助けておいて交換条件で協力させると言う訳じゃな」
「お父様、そう言う訳です。さらに貴族がエーレンベルク元帥に対して監督不行が有ると騒いでもブラウンシュヴァイクには何も言えますまえ、精々減給程度で大丈夫でしょう」
「エーレンベルクはようやってくれておる、罪には問いたくないからの」
陛下の言葉に頷く3人。
「フレーゲル一党は精々成績不良で1年ほど余計に士官学校へ居て貰う程度にしておけば良いかと思いますね、その程度の罰は必要でしょう」
「ホホ、確かにそうじゃの」
「後は、フレーゲル一党に対する盗撮盗聴な
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