22 一か八か
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_「遅いなァ、トシのヤツ。
もうとっくに時間は過ぎてる、ってのに。
…大事な会議だ、というのに。」
もしもし、土方サン、中々にヤバいですぜ!?
_「近藤さん、いい機会だ。
僕ァちょうど、彼の事を議題に出すつもりでいた。
最近の彼の行動については、すでに諸君も聞き及んでいるだろう。自ら隊士たちに『局中法度』という厳しい規律を課しながら、彼はこれを破ること実に十数度。現に今も重役会議に遅刻する、という失態を犯している。これを野放しにしていては大したちに示しがつかない。」
_「先生、待ってくれ 汗)
トシのことだ、何か並々ならぬ事情があって…」
_「僕は今回のことだけを言っているのではない。
もちろん、彼がこれまで真選組で功績をあげてきたかは、そのことも重々承知している。だからこそあえて、苦言を呈したい。真選組の象徴とも言うべき彼が法度を軽んじれば、無論隊士たちもそれに倣う。規律を失った軍朗は、烏合の衆と成り果てる。彼にこそ厳しい処罰が必要なのだ。近藤さん、ここは英断を!」
_「待ってくれ、トシは必ず…」
堪らなくなって、腕時計を確認しようとしたとき、
爆発が起きた。
そして、悲劇も起こった。
_「ちース、焼きそばパン買ってきたッス、沖田先輩ィ。すいまっせーん、ジャンプが無かったんで、マガジン…ッ!」
目を覆いたくなるような光景だった。
それから会議は副長のクビについての話になり、
結局、私が土方の代わりに代理で副長となることになり、元副長には、無期限の謹慎処分が下された。
つまり、伊東にとっては好都合な展開となったわけだ。
_「オイ、聞いたか?土方さんの話。」
_「無期限の謹慎処分、なんだって?」
_「局中法度を犯した、ってんで、伊東さんは切腹を主張したらしいが、局長やみんなの説得で、それは免れたらしい。事実上の更迭だよな。
もう多分、戻ってこれねェんじゃないかなァ?」
_「伊東のヤツが許すまいよ、
あの二人、ずっといがみ合っていたからなァ。」
_「いよいよアイツのじだいかァ。」
_「噂じゃァ、沖田さんも伊東派についたらしいぜ?もう誰も、伊東には逆らえないよ。」
土方をどうにかせねば、
副長を、取り戻さねば。
だが彼はもうすでに、妖刀に呑まれつつある。
日に日にオタク化が進んでいるのだ。
しまいには、クビになったから出ていく、とかいう始末で。
どうしようもなかったから、沖田隊長に頼んで、沖田に副長もやってもらうようにお願いして、
私は副長を、なんとしてでも万事屋に連れていく談義を整えた。
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