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非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第68話『初陣』
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雷の刀が、雷の弾が、雷の槍が、雷の矢が・・・巨大な骸骨の鎧を跡形もなく破壊する。そして、四つの黒雷によって骸骨は焼かれ、みるみる内に灰燼と化した。


こうして、二年生の初陣は幕を閉じた。






「魔道具・・・そんな物を作ってたんですか…」

「驚いたか? 俺がいっつも変な物ばっか作ってると思ったら大間違いだぜ」

「変な物って自覚あるのね…」


結月及び竜の祭壇に向かう道中、一行はそんな会話をしていた。終夜は二年生の秘策を既に把握していたため、あの場面を任せたのだとか。


「それでもアイツらにとっちゃ初陣だったし、正直心配だな。つか、『守ってやる』って言ったのに置いてきちゃったよ」

「そういえばそうですね」

「まぁそんな過保護じゃアイツらは成長しねぇよ。これで良かったんだ」

「…そうですかね」


後悔の色を見せる終夜にカズマが一言。力がある者が力のない者を守るのは妥当だが、それでは力のない者は力のある者にあやかるだけである。その言葉に納得したのか、終夜は安堵の表情を見せた。


「あそこは彼らに任せて、儂らは先に急ぐんじゃ。もうじき幹部も動くじゃろう」

「ミスト…でしたっけ。あの霧は厄介ですね…」

「でも逆に言えば、怖いのはそれだけだ。アレさえ無効化できれば、勝てない相手じゃねぇさ」


幹部を迎え撃つにあたって、走りながら作戦を練る。
"霧使いのミスト"。それがこの先に居るであろう魔王軍幹部が一人の異名である。彼が使う霧は世界すらも隠す恐ろしいものだ。他にもどんな手が有るかわかったものではない。


「それに、他にも幹部が居る可能性も有るんすよね?」

「もちろんじゃ。儂の見立てじゃと、"吸血鬼のブラッド"と"魔女のウィズ"も居るじゃろう」

「聞くだに面倒そうな相手っすね…」


晴登としては、吸血鬼や魔女と聞くと少し高揚するのが本音だが、さすがに楽観ばかりはしていられない。本物ならば、生身の人間で立ち向かうのは非常に危険である。


「でも、世界を救うためにはやるしかないですよね」

「あぁ。俺だって一度決めたことはねじ曲げたくはねぇ。最後までやり切ってやるよ」


その言葉に申し訳なさそうにしている婆やを横目に、晴登はある人物を脳裏に思い浮かべた。


「結月…絶対に助けてやる」


静かにそう口にして、覚悟を決める。



──その直後だった。


「霧…!!」


突然辺りを覆う白いモヤ。一寸先は霧と言うべきか、もはや自分たちと足元以外は真っ白で、何も視認できない。
言わずもがな、この霧の正体は・・・


「──後ろだっ!」ブン


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