18 蟻の声に耳を傾けると、意外といい話が聞ける、という伝説がある。
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
伊東鴨太郎が真選組入りをしたのは、ちょうど昨日の事だったらしい。
予定よりもとても早く戻ってきたので、真選組では今日、伊東と祝賀会が開かれるらしい。
そして私の席は、一番隊の席になった。
つまり、沖田のお向かいである。
実際、近藤の隣に座っている伊東の席は、私たち一番隊に一番近いので、私はじっくり監察することにした。
宴会が始まった。
_「伊東鴨太郎くんの来陣を祝して、カンパァイ!」
_ カンパァイ!
皆がめいめいワイワイガヤガヤし始めると、伊東に近藤が話しかけた。
_「やぁ〜、伊東先生ィ!
今回は本当にご苦労様でしたァ。
しかしあれだけの武器、
よくもあのケチな幕府どもが財布の紐を解いてくれましたなァ。」
えーえー、確かに。
お陰で私もおこぼれにありつきました。笑
すると伊東は、こう答えた。
_「近藤さん、ケチとは別の見方をすれば利に聡いということだ。ならば僕らへの出資によって生まれる幕府の利を説いてやればいいだけのこと。
最も、近藤さんの言うとおり、地上で這いつくばって生きる我々の苦しみなど意にも介さぬ頑迷な連中だ。
強大化していく攘夷志士たちの教義を分かりやすく説明してやるのも一苦労だったがねぇ。」
そうね、某中2病の大将が率いるアレとかね、www
_「 ガアハハハハ)
違いないよ。
頑迷だよね、アイツら。
ホント頑迷。」
_「近藤さァん、「頑迷」ってなんですかィ?」
と、お向かいの沖田がヤジを飛ばす。
絶対意味わかってないよね、局長…汗)
_「うるさいよッ、お前はァァッ!
子供は黙ってなさいッ!」
ホラ、やっぱり!www
_「近藤さん。あのような者たちが上にあっては、
いずれこの国は滅ぶだろう。我々はこんなところでいつまでも燻っていてはいけない。進まなければならない。僕らはもっと上を目指して邁進しなければならない。そしていずらは国の中枢を担う剣となり、この混迷する国を救うことこそが、この時代の武士として生まれた者の使命だ、と僕は考える。そのためならば、僕はこの命を君に捧げても構わない、と考えている。
近藤さん、一緒に頑張りましょう!」
…なんか、胡散臭いんだよなー、伊東。
_「うん。みんな、頑迷に頑張るぞ!」
_「…いや、「頑迷」の使い方間違ってます。」
後ろの隊士たちが、ザワザワしていた。
_「まぁた始まったよォ、伊東さんのご高説が。」
_「局長も、『先生』、なんて呼んでんだぜ。内に入って一年目の新参者
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ