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獣篇T
15 仕事は、合間合間で休憩を。
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ペンを止めて、副長(かれ)を見る。

_「予定が早まったのですか?」

_「どうもそうらしい。来る日程も、一週間早まったようだ。」

_「では、部屋などの準備もせねばなりませんね。」

_「大丈夫だ、それについてはオレが手配しておく。」

_「承知しました。」


再びペンを走らせる音と紙の音だけが響く。



分け与えられた書類の山が次々と片付いていき、最後の一枚になったとき、ふと副長(かれ)を見ると、
まだ苦戦しているようだった。

副長、と声をかけると、こちらを向く。

_「副長、これは全て書き終えた分です。
あとは副長の印鑑を捺すだけです。

お茶などは飲まれますか?」

気のせいだろうか、彼の顔が少し赤くなった気がした。

_「あァ。頼む。」

_「ついでに灰皿も新しいのに交換しますね。
少々、お待ちを。」


と言って、部屋を去った。


二人分のお茶を煎れる間、灰皿の中も片付けた。

お盆に急須と湯呑み、土台のお皿、そして空にした灰皿を載せ、再び副長室に向かう。

失礼します、と声をかけてから襖を開けると、
そこには、なぜか沖田がいた。

_「あら沖田さん。」

_「あ、零杏だ。土方さん、零杏が気やしたぜィ?」

_「書類が忙しいのですよ。あ、お茶をお持ちしたので、沖田さんも飲まれますか?」

すると彼は目を見開いて、しばらく固まってから、
頼みまさァ。とだけ言った。


急須の上に引っ掻けてあったお茶っ葉をのけてから、
急須(それ)の蓋を閉め、ぐるんといっしゅうさせてから、受け皿に並んだ2つの湯呑みに、均等に次いでいく。

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