15 仕事は、合間合間で休憩を。
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
」
ペンを止めて、副長を見る。
_「予定が早まったのですか?」
_「どうもそうらしい。来る日程も、一週間早まったようだ。」
_「では、部屋などの準備もせねばなりませんね。」
_「大丈夫だ、それについてはオレが手配しておく。」
_「承知しました。」
再びペンを走らせる音と紙の音だけが響く。
分け与えられた書類の山が次々と片付いていき、最後の一枚になったとき、ふと副長を見ると、
まだ苦戦しているようだった。
副長、と声をかけると、こちらを向く。
_「副長、これは全て書き終えた分です。
あとは副長の印鑑を捺すだけです。
お茶などは飲まれますか?」
気のせいだろうか、彼の顔が少し赤くなった気がした。
_「あァ。頼む。」
_「ついでに灰皿も新しいのに交換しますね。
少々、お待ちを。」
と言って、部屋を去った。
二人分のお茶を煎れる間、灰皿の中も片付けた。
お盆に急須と湯呑み、土台のお皿、そして空にした灰皿を載せ、再び副長室に向かう。
失礼します、と声をかけてから襖を開けると、
そこには、なぜか沖田がいた。
_「あら沖田さん。」
_「あ、零杏だ。土方さん、零杏が気やしたぜィ?」
_「書類が忙しいのですよ。あ、お茶をお持ちしたので、沖田さんも飲まれますか?」
すると彼は目を見開いて、しばらく固まってから、
頼みまさァ。とだけ言った。
急須の上に引っ掻けてあったお茶っ葉をのけてから、
急須の蓋を閉め、ぐるんといっしゅうさせてから、受け皿に並んだ2つの湯呑みに、均等に次いでいく。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ