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獣篇T
14 引っ越しの夜は、眠りにくい。
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部屋に戻ってから、私は持っていたタブレットから晋助に送るレポートを書いてから、身支度にかかった。


ちなみに部屋は、お向かいが副長室、お隣が一番隊隊長室。重役に囲まれる形になった。

新人なのに、重役に就かせるとは。



トランクを開けて、中から杖と魔法のボストンを出して、いつものように、押し入れを細工して、私専用の魔法の部屋を作る。
作ってから中に荷物を運び込み、トランクはそのまま残した。

とりあえず、ノーマルな部屋の方を先に片付ける。


必要はものを整理して、並べていく。


それが終わってから、布団を敷く。
それが終わったら、とりあえず今日は寝ることにした。
続きは明日しよう。


「部屋」の鍵を閉めて、身支度を済ませる。
そして、お風呂へ向かった。




お風呂は、意外ときれいだった。
掃除当番があるらしい。

一番隊は、来週からだ。


シャンプーも終わり、湯船で疲れを解す。
幸い、酔いつぶれてる隊士たちが多いのか、
人は少なかった。


お風呂から上がると、真っ直ぐ部屋に向かったが、
いよいよ、というところで副長に呼び止められた。

_「オイ、零杏。」

ふと見上げると、副長がちょうど部屋の襖を開けて、
私の方を向いていた。

_「ちょっと話がある。いいか?」


ちょっと考えてから、いいですよ、と返すと、
部屋に招き入れられた。

敷いてもらった座布団の上に座り、
お互いが一段落ついてから、
私がまず、話しかけた。

_「どうかされたんですか?」

副長は、しばらく黙っていたが、
ポツリポツリと話始めた。

_「零杏、総悟から伊東鴨太郎について、なにか聞いたか?」


どう答えようか迷ったが、
嘘はつかないことにした。

_「…はい。拝聴しました。」

そうか、と言って彼は話を続けた。

_「では、もうすでに聞いたかもしれないが…
伊東が約2週間後に、真選組に戻ってくる。」

デジャブ感がすごい。

_「はい、どうやらそのようですね。
それについて、私がするべき事などはありますか?副長秘書 兼一番隊副隊長としてでも、個人的にでも」


彼は少しびっくりしたような顔をして、
それから続けた。

_「あァ。お前は、伊東(アイツ)を監察してほしい。」

_「つまり、伊東(かれ)を探れ、ということですか?」

_「そうだ。やれそうか?」

ま、私はまだ現役のスパイだもんな。
それくらいは朝飯前だ。


_「はい。全力を尽くします。」



話は終わったか、と思
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