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夢幻水滸伝
第四十話 高城への進軍その十二
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「豊かで民衆が幸せに暮らせるな」
「それもまた世界を救うってことやな」
「そうなる、豊かになることもや」
「そやな、餓えてる社会が救われてるとはや」
 到底とだ、中里も芥川の言葉に頷いて言った。
「言えんな」
「格差ってのはどうしてもあるけどな」
 貧富はだ、これが全くない社会というのも存在しない。ただ問題はその程度なのだ。格差社会だと言ってもその内実を見ないと怪しい者達の詭弁に騙されてそうして利用されることもよくあることなのだ。
「それを出来る限りや」
「なくしてくんやな」
「ここで格差をなくそうとした国は亡ぶとかな」
「大きくなり過ぎてもあかんやろ」
「それもそや、完全に格差のない社会があるとしたら」
「それはあれぜよ」
 ここで正岡が言ってきた、貿易に積極的な彼が。
「貨幣経済のない社会ぜよ」
「その通りや」
 まさにとだ、芥川は正岡に答えた。
「もう豊かさも何もない社会や」
「ポル=ポトのカンボジアぜよ」
「そうなる、あくまで程度や」
 縮める問題だというのだ。
「大きくなるのを放っておくのもアホや」
「そういうものやな」
「そや、そこも内政や」
 格差の縮小を行うこともというのだ、また中里に話した。
「それをわかってな」
「そうしてやな」
「内政もしてく、そして貿易もや」
「九州を手に入れるとやな」
「これまで以上にしてくで」
「土佐の港も開くぜよ」
 また正岡が言ってきた。
「そうするぜよ」
「そや、ええ港を置いていってな」
「太平洋全体で貿易をするぜよ」
「これは今もそうやし統一されたらな」
「本格的にぜよ」
「やるんや、この世界でも太平洋はかなりの人間と売り買いするものがある」
 そうした場所だからこそというのだ。
「貿易で何処までも豊かになれるで」
「戦よりも大事やねんな、貿易は」
「そや、日本も売れるもんを作ってやな」
「そうしてや」
「売るんやな」
「そして買いもする」
 ただ売るだけでなくというのだ。
「欲しいもんも手に入れられるしな」
「売って儲けて」
「そうしてくで、そうした未来の為にも」
「今からな」
「大戦や、僕も思いきり戦うで」
「自分軍師やけど積極的に戦うな」
 その術を使ってとだ、中里は芥川に言った。
「いつもな」
「僕は戦う軍師やからな」
「忍者は戦うことも出来るからやな」
「それでや」
 まさにそうした職業だからだというのだ、忍者が。
「僕も前線で戦うんや」
「策や戦術を考えながらやな」
「自分も戦うんや」
「そうした軍師もおるんやな」
「四智星の奴は全員戦場にも出るけどな」
 そうして戦うがというのだ。
「他の奴が術で戦うのに対してな」
「自分は刀も振るうな」
「切り合いもするやろ」
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