第四十話 高城への進軍その八
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「その敗れ方によりますが」
「降るしかないでごわす」
「我々は野心を捨てるしかないですね」
「そうでごわす、日本を統一し」
「そして太平洋ひいては世界も統一する」
「その野望をでごわす」
それをというのだ。
「捨てざるを得なくなるでごわす」
「そうです、ですから」
「大事でごわす、しかし」
「しかしですね」
「おいどんの野望は世界に号令して終わりではないでごわす」
北原は遥かに大きいものを見ていた、その目には実際に大海の如き大きなものが映っていた。
「その世界に泰平と繁栄をもたらしてでごわす」
「世界を救う」
「そうするでごわす、その為にでごわす」
「世界を統一しましょう」
「是非にでごわす、ただおいどんに器がなければ」
世界を統一しそうして泰平と繁栄をもたらす救うだけのだ。
「もう諦めるでごわす」
「その時はですね」
「そうするでごわすよ」
こう言うのだった。
「器でないなら仕方ないでごわす」
「その器もですね」
「この戦でわかるでごわす」
決戦で敗れるかどうかでというのだ。
「敗れればもうでごわす」
「仕方ないというのですね」
「そうでごわす、では皆の衆」
あらためて四人の星の者達に言った、九州の星の者である彼等に。
「関西の軍勢が来たなら」
「全力を尽くして」
「そうしてたい」
「戦いその上で」
「敵を徹底的に叩き潰してやろうね」
「その為にもでごわす」
焼き芋を出して言うのだった。
「今はたらふく食うでごわす」
「薩摩芋をですね」
「御飯も豚肉もあるでごわす」
そちらもというのだ、見れば豚肉の料理は琉球の足てびちだった。ミミガーもある。
「そっちも食べるでごわす」
「足てびちもあるとは」
琉球の者の又吉はその料理に目を細めさせていた。
「有り難いです」
「おいどんも大好きでごわすからな」
「だからですね」
「ここに出ているでごわす」
見た通りにというのだ。
「そちらもたらふく食うでごわすよ」
「それでは」
「腹が減ってはでごわす」
北原もこうした考えだった。
「戦なぞ出来ないでごわすからな」
「では我等も」
「食うでごわすよ」
九州の者達は彼等が考えられる限りの手筈を整えてそうしてだった、飯も食い英気も養っていた。そのうえで関西の軍勢が高城に来るのを待っていた。
関西の軍勢は遂に高城が見えるところまで来た、すると先陣を率いる玲子は不敵な笑みでこう言った。
「来たね」
「はい、高城まで」
「はるばるですね」
「来ましたわ」
兵達がその玲子に応えた。
「ようやくですわ」
「雌雄を決する地に来ましたで」
「ほな今から」
「先に進むよ、幸いまだ敵は前にはいないからね」
高城の方にいて遠くに布
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