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ハイスクールD×D 〜赤と紅と緋〜 日常風景のショートストーリー
士騎兄妹の休日 千秋篇
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 一応、最初に比べれば緊張はだいぶ解れていたし、些細だけどデートの時間が増えるので、断る理由はなかった。
 私とイッセー兄は待ち合わせ場所から移動を開始する。その際、私はドキドキしながらもイッセー兄の手を握る。イッセー兄も一瞬だけキョトンとしたあと、微笑んで手を握り返してくれた。
 うぅぅ、私と違って、イッセー兄はあまり緊張してなさそうだった。イッセー兄にとっては、私は妹のような感じらしい。
 せめて、このデートでもう少し私を異性として見てくれるようにがんばると誓う私だった。


―○●○―


「楽しかったな、千秋」
「うん」

 洋服屋さんで洋服をみて回ったり、カフェで小休止をしながらいろいろ話をしたり、映画館で映画を観たり、ゲームセンターでついつい遊びすぎたりととても楽しいデートの時間は過ぎ、いつの間にかすっかり夕暮れになっていた。
 結論から言うと──私とイッセー兄の仲に進展はとくになかった・・・・・・。
 もちろん、少しは積極的なアプローチをしようとした──けど、すぐに恥ずかしくなって実行に移せなかった。そのたびに、脳内で明日夏兄の声で『ヘタレ』という幻聴が聴こえてきた。
 でも、楽しかったのは事実だったし、勇気を出してデートに誘ってよかったと思えた。

「いやー、なんかこう、平和な日常的な一日はひさしぶりな気がするなぁ」

 イッセー兄が何気なしにそう言う。
 イッセー兄は最近になって人間をやめることになってしまった。
 普通の一般人であったイッセー兄のその身に神器(セイクリッド・ギア)、それも十三種しか存在しないという神滅具(ロンギヌス)、『赤い龍の帝王(ウェルシュ・ドラゴン)』と呼ばれるドラゴンが宿った『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』を宿していたことで、それを危険視した堕天使によって殺された。そして、殺されたイッセー兄を部長こと上級悪魔であるリアス・グレモリー先輩に悪魔としてよみがえらせてもらった。
 そのときの私は本当に大変だった。イッセー兄が死んだことにひどいショックを受け、悪魔として生き返ったことに心底安堵して泣いてしまった。悪魔になってしまったことに関しても、生きていてさえいてくれるなら関係なかった。そして、私たち兄弟の秘密もイッセー兄に知られることになった。
 そこからは本当にいろいろあった。
 アーシアさんと出会い、そのアーシアさんを助けるために堕天使と戦ったり、部長の婚約者が現れて部長の婚約騒動に巻き込まれ、その決着をつけるためのレーティングゲームに備えて合宿して修業したり、そのレーティングゲームで激戦を繰り広げ敗北してしまい、その結果始められた婚約パーティーに乗り込んで部長を取り戻したりと本当にいろいろあった。
 イッセー兄がそう言ってしまうのも仕方ない
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