提案-プロポサル-
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ってみせるギーシュに、妙にサイトたちは息を呑まされていた。そして、彼らにとって
「なんと!!ミスコンテストがあるという伝説があるのだ!!」
「「な、なんだってええーーーーー!!?」」
思わず叫んだのはマリコルヌとレイナールだった。サイトも驚いた。…主に二人の叫び声で。が、やはり大声過ぎて図書館にいた生徒たち全員が白い目でサイトたちを見ていた。
「図書室では静かに」
背後から突然、か細くも聞き覚えのある声に、思わずサイトは飛び上がった。
「うぉあ!?タバサ、いたのか!?」
「静かに」
「あ…悪い」
振り返った際に見たタバサの顔は、無表情に見えそうだったが、よく見ると目と眉が僅かに吊り上っている。読書が日課同前の彼女にとって騒がしいのは好ましいものではなかった。
『故に』、彼女は同時にサイトたちに話について興味も示した。
「さっきキュルケたちの名前が聞こえた。何を考えてるの?」
「あ、ああ…それなんだが…」
タバサに問われ、ギーシュは説明を始める。
「我が校のミスコンは、元々入学希望者を呼び寄せるためにオスマン学院長が計画していたものだ。しかし、数年前を最後に、新たな教員たちの入れ替えの影響で、学校の風紀を重視した先生たちの反対で行われなくなってしまったのだ…」
「もしかして、そのミスコンにあの二人を参加させるってこと?」
マリコルヌはオスマン校長の下心を感じる狙いについてはいちいち触れようとはしなかった。どんな人なのかは誰もが知っているし、この学校ではよく聞く話だ。
「そのとおり。あの二人は話に聞くと幼き日からのライバル同士。過去の禍根から決して互いに譲り合おうとしない。ならここは一度、お互いの実力を見せ合う場としてミスコンを復活させ、お互いの魅力を競わせるのだ!そうすれば、いくら互いを嫌い合っているあの二人でも、お互いの認めるべきところは認め、喧嘩することも少なくなるだろう!」
ライバルで力を競わせる。なんだか少年漫画の展開のような計画だった。
「どうだねサイト?君もよいアイデアだとは思わないかね!?」
「ま、まぁ…いつぞやみたいに決闘騒ぎ起こさないなら平和的解決だし…」
二人の喧嘩に振り回された身のサイトとしては、望ましい方法だと思う。…ただ、ギーシュがミスコンを押し出しているというこの状況に、どこか引っかかりがある気がした。
「で、ギーシュ。君がミスコンを復活させる真の目的は?」
「な…なんだね?その言い方だと、僕のこの崇高で素晴らしい計画に裏があるみたいじゃないか」
レイナールから疑いの眼差しを向けられ、ギーシュは思わずたじろぐ。あぁ、とサイトは納得した。紳士ぶってても、やはり女好きなギーシュのことだ。やはりそっち方面の野心があったからミスコン復活を謳ったのだ。
「まったく、そんな下心丸出しのアイデアが
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