提案-プロポサル-
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、生徒たちから何度も苦情が来てるのです」
ひどく困った様子でコルベールが言った。続いてアンリエッタも説明に加わってくる。まぁ、あれだけ西条先生から怒られるほどだ。苦情が来ない方が不思議だ。
「私もルイズとは幼馴染ですから、昔からキュルケさんと不仲であることは知っています。あの子は元々気性が激しい性格ですから、一度衝突するとなかなか…」
「あぁ、確かに…それにキュルケとはお互いの実家の仲の悪さもあるし、二人とも昔から会うたびに喧嘩ばかりだったらしいですし。因縁…って奴ですね」
「ええ、それだけに困っているの。でも、教員も生徒会長も、生徒全員のことを考えるべき立場である以上、何度もあの子達の間に私が介入し続けるわけにいきません。それに、私が言ってもあの子達は何度もいがみ合うことが、今回の騒ぎで実証されましたから…」
アンリエッタもルイズとは幼馴染ということもあり、彼女の悪い部分もよく知っていたようだ。
続いてコルベールが心苦しげに口を開いた。
「我々教員が言っても、また同じことを行うこともあり得ます。次もまた喧嘩をして、これ以上ひどくなれば、二人に対して学校側から厳しい処分が下されるかもしれません」
「し、処分!?」
そこまでするか!?い、いや…何を言っても聞かないのだとしたら、学校側もルイズたちに対してそうせざるを得ないのかもしれない。
「そこでサイト君、あの二人と深く関係している君に、あの二人の仲を取り持ってほしいのです。せめて、喧嘩が再発しないように」
「お、俺がですか!?なんで俺が…」
「あなたならルイズのことを考えてくれると思いましたから」
「でも…うーん…」
アンリエッタは期待を寄せているようだが、突然の無茶ぶりのごとき注文。絵に描いたような犬猿の仲。前回だって自分の説得にもあの二人はまったく耳を貸さなかった。どうすればいいのかなんてすぐに思いつかない。
「戸惑うのも無理はありません。ですが、ルイズたちにも、ほかの生徒さんたちにも健やかな学園生活を送ってもらうため。
これは生徒会長としての命令です」
「め、命令ですか!?」
「命令です。方法はあなたに任せます」
サイトへの期待を抱いたにこやかの裏に、なぜか妙に逆らえないオーラを感じたサイトは断ることができなくなった。
(な、なんだろ…この有無を言わさない、まるで女王様似たいなプレッシャーは!?)
アンリエッタから浴びせられる覇気は、サイトの中によからぬ妄想を沸き立たせた。
『平賀君…いえ、犬さん。そこにお座りなさい。』
『わん!きゃわわん!!』
女王様の格好をしたアンリエッタによって鞭に打たれる、犬のコスプレをさせられ跪いた自分の光景…。
(…なんてことには…なるわけないか)
「平賀君、あの…妄想中すみませんが、お願いしますね」
「!?」(
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