提案-プロポサル-
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るのは、あなたの昔からの悪い癖ですよ」
「うぅ…」
その悪いところに関しては確かな自覚があるため、ルイズは押し黙る。キュルケは痛いところを突かれたルイズを見てふふん、と勝ち誇ったように笑みを見せたが、すかさず彼女にもアンリエッタからのキツイ言葉が向けられた。
「キュルケさん、あなたも同じです。私も意中の男性へ甘えたいという気持ちは理解できますが、だからと言って回りに迷惑をかけることが正しいと思いますか?何より、あなたたち両者の身を案じてくれていた平賀君が怪我をしたら、どう責任をとるつもりだったのですか?」
「「…」」
そこまで言われてしまえば、もはや二人に反論することはできなかった。これといって大した仲裁ができなかったとしても、サイトの平和的解決を望む心を無視し、周りの迷惑を顧みなかった愚かさを二人は理解した。
アンリエッタの切り札級の説得の元、二人は大人しくこの場から退いた。せっかくの昼休みが、とんだ想定外の騒ぎで散々なことになった。
「やれやれ、今日も騒がしかったなぁ。あの二人、カッカしすぎじゃん」
「折角ゆっくりシュウの寝顔を堪能してたのに、…あの二人、あとでどうしてくれようかしら」
「あ、愛梨ちゃん…なんか怖い声出てるけど?」
ルイズたちの喧嘩に対して憐は変にいがみ合わずに仲良くすればいいのにとぼやき、愛梨はどこか殺気めいた黒いオーラを放ち、そんな彼女に尾白は戦慄する。
シュウも騒ぐくらいなら互いに不干渉を貫けばいいものをと思っていると、
「黒崎先輩」
ルイズたちがとぼとぼと屋上から去った後で、アンリエッタから耳打ちされた。
「後程、生徒会長室までご足労いただけませんか?お話したいことがあります。
…先日の件で」
その後、ルイズとキュルケは職員室に呼び出されてキツイお叱りを受けることになった。
「二人共、いったい何度言えば気がすむの?あなたたちの下らない意地の張り合いがみんなの迷惑になること、自覚してるの?それとも自分以外の人たちのことなんてどうでもいいのかしら?」
「そ、そんなことは…」
「じゃあ何でまた言い争ったの?あなたたちのせいで、特に一番迷惑をかけてるのは誰?」
「ダーリ…平賀君ですわ」
さすがのキュルケとルイズも、西条先生の前でいつものような態度は全く示せなかった。同席中のアンリエッタも心配そうな視線しか送れない。
「次また同じようなことがあったら…わかるわね?」
わかるわね、がやたら怖い。ルイズたちはまだ納得できない様子こそあるが、先生たちの手前で口答えせず、職員室を後にした。
一方でサイトは、アンリエッタとコルベールから話があるとのことで、生徒会室を訪れていた。
「苦情…っすか?」
「ええ。ミス・ヴァリエールとミス・ツェルプストーがしょっちゅう喧嘩をすることで
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