提案-プロポサル-
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来予知とやらにあった、光の巨人が俺だとでも言うのか?」
「はい」
そんな馬鹿な…俺自身がそんな大層な存在な訳がない。
だが、彼女の話にあった、光の巨人…目覚める直前の夢の中で見たことがあった。それに、タバサでも敵わなかった怪物から生き延びれたことにも説明がつく…
いやいや、とシュウは振り払うように否定した。そもそも常識を逸脱し過ぎているアンリエッタの話が信じられなかった。…信じたくなかった。
自分の中に、そんな化け物じみた力が眠っているなどと。
「…信じがたい現実に、ご自身の心が追いついていらっしゃらないようですね。無理もないことです。
でも、これ以上民から犠牲を出さないためにも、私たちにはあなたのお力が必要なんです。危険に巻き込むことは承知の上ですがどうか…どうか何卒」
無理を承知でと言いつつ、アンリエッタが深々と頭を下げる。
非現実的な光景から目をそらそうと無意識に逃避しようとしていたが、否応にも理解させられた。夢に過ぎない…と言うには、あまりにもリアルに記憶に、そして体に刻み込まれている。
さらにシュウにとって残酷に捉えられたのは、自分が戦うことを拒否し奴らを野放しにすれば…愛梨や憐をはじめとした、多くの人々が奴らの犠牲になるということ。
自分が戦わなければならない。
だが、その一方で……自分がその戦いに身を投じるだけの勇気が、正直持てなかった。
自分が化け物同然の異形となって、人々を食い荒らす怪物と殺し合う…ということに。
「…少し考えさせてくれ」
それがしばらく悩んだ末に、辛うじて出せた答えであった。
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