提案-プロポサル-
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をしてくれるわよね?あたしの方がダーリンのこと愛してるんだもの」
「とっちめるって、お前らな…」
どうもキュルケとルイズの二人は、喧嘩状態にあるようだ。それをサイトが仲裁しようとしているようだが、全く効果が見受けられない。
「何があったの?二人とも、目が完全にやる気満々なんだけど」
憐がサイトのもとに駆けつけると、サイトは蓮を見て、まるで救世主が現れたように感動しきったような眼差しと共に助けを求めてきた。
「ちょうどよかった!先輩、こいつらになんとか言ってやってください!やめるように言っても、全然話聞かないんですよ!しかも『決闘』とか言い出してきて…」
「決闘!?」
いつの時代の作法だ。憐たちは面食らう。
「と、とりあえず、何が原因で喧嘩になったのか教えてくれない?」
愛梨が穏便に済ませようと、まずは事情を聴くことにした。そうしたら、なんともまぁ呆れてものも言えなくなりそうな、実に下らない理由だった。
「簡単な話ですわ、先輩。今日転校してきたヴァリエールに、席を代わるように言ったら断られたんですの。でも、あたしは一度ほしいと思ったものは絶対にあきらめない。ましてやダーリンの隣の席だもの。愛に連なることなら妥協はしませんわ」
「ツェルプストーにやるものなんかなにもないわよ!大体あんた勝手すぎよ!コルベール先生はサイトに、隣の私を助けるように言ったのよ!あんたの勝手な意見なんか聞き入られるものですか!」
つまり、サイトの隣の席を巡って二人が対立してしまったというのだ。
サイトは元々、この日転校したばかりのルイズの力になるよう、担任のコルベールから頼まれている。だからルイズは、先生の言うことに従うべしということ、昔からキュルケから下らないことからマジになることまで何度もぶつかり合った因縁故に、キュルケの「席を代われ」という勝手な言い分を聞き入れられない。そしてキュルケは「愛している人の隣に立つのは当然」という、個人の愛情優先思想と、ルイズとの因縁で全く引き下がろうとしない。
それが平行線となって、最終的に決闘という決着方法を思いついたのだとか。
「…めんどくさいなこいつら」
シュウが率直な意見を口にする。サイトの立場にならなくて心底よかったと思っていた。
「何がめんどくさいだ!男にとってこんなおいしいシチュはないだろ!」
「その通り!二人の美女が自分を巡って相対する!男としてこれほど夢のようなことがあるだろうか!!」
「…なんでお前がいるんだよ、ギーシュ」
しかし尾白は寧ろ煽ってきた。…なぜかいつの間にか着いて来ていたギーシュまで尾白に同調し、そんな彼にサイトは目を細める。
「と、とにかく、決闘なんて馬鹿な真似はやめて…」
「先輩方もサイトと一緒に下がっててください。これは誇りの問題なんです」
ルイズは先輩にあたる愛梨
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