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鋼殻のレギオス 勝手に24巻 +α
第五話 INグレンダン(その3)
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た事は知っている。だが次年度の対抗戦にシャンテが出場することは無く、入院の影響だとされていたためそれ以上を知事は無く、シャンテ自身混乱を招くだけだと殆ど人前に出ていなかったためツェルニ内での噂にもなっていなかった。
それに加えて運命という大きな流れの本流に乗っていたニーナにはもたらされる情報とその処理をするだけで手一杯で他の事に手を伸ばす余裕など無かったのだ。
 だが、今聞いたところでニーナに理由が分かる訳ではない。運命の真っ只中にいたとはいえ所詮ニーナは末端である。永い刻を経て積み重なり積もりに積もった結果がニーナに結実しただけの事だ。
知らない、と答えるのは簡単だ。だが自分の先輩が大きく関わった事態を捨て置けるような性格はしていない。
 自身に分からないなら知る可能性のある相手に聞くしかない。
『メルニスク、何かわかるか?』
 自身の内にいる廃貴族に問う。この世界を維持し、最後の時に備えてきた電子精霊ならば多くの事を知っている。特にメルニスクはヴェルゼンハイムと同じ『極炎の餓狼』へと達することを望んでいたこともある。
「結論から言えばもう心配する必要はないと思う」
 目を開けたニーナの第一声はそれだった。
 無論それだけで納得する者などおらず、さらなる説明を求めている。
 かつて『火神』という兵器として生み出された者がいた。それはディックの中にいた廃貴族ヴェルゼンハイムを取り込み己の力を増すことに成功した。だが一つ計算違いがあった、何か手違いがあったのか狼面衆のコントロールを離れてしまった事だ。それをディックは奪い自らの力となる時まで隠しておく場所が必要だった。。
「それが森海都市エルパだった」
「へぇ、あいつらもグレンダンの外ではいろいろやっていたんですね。ここでは嫌がらせしかしてなかったですから」
「ならばその火神が、シャンテが兵器だというのか」
 変な方向に感心しているクララと違いゴルネオからは不快感が滲み出ている。
 武芸者とは存在そのものが対汚染獣兵器として認識されているが、明らかにそれとは違う意味での『兵器』でありそれが自分の大切な人間なのだ。不快に思わないはずがない。
「ゴル、落ち着いて」
「そうです、ニーナに向かって文句を言っても何にもなりませんよ」
 シャンテとクララの二人に宥められてゴルネオも冷静を取り戻す。
「すまない、続きを頼む」
 グレンダンでゴルネオが見たものはシャンテの中からヴェルゼンハイムを火神ごと回収するところだ。
「話では途中でゴルネオ先輩が無理に仮面を引きはがしたという事だが、そうしなければ全てを吸われここにはいなかっただろう」
 死を意味する言葉に、そうならなかった事に失わずに済んだ事に安堵の息を吐く。
「恐らくだが、本来は今の姿に成長し火神として完成したのだろう。だが
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