第五話 INグレンダン(その3)
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定にルシャの方が疑問に思う。孤児院の出世頭にして失墜頭の性格を知るルシャにしてみれば意外なのだ。
とはいえニーナの否定したのもレイフォンが理由ではない。それはクララも分かっている。
「フェリさんが居ますからね、そんな事になったらすぐに足が飛んでいそうですね」
「ああ、そのとおりだな」
レイフォンがそうなった時、すぐ横にそうする人がいるというだけだ。
「ん、フェリってあの念威繰者の子だろ、銀髪の。あの子がどうかしたのかい」
事情を知らないルシャにとってはその名が出てくることが当然ながら理解できない。
「レイフォンはフェリさんと一緒にいるんですよ。私達よりよほど速く手、いえ足を出す人ですよ」
それを聞いたルシャは感嘆しきりだった。
「あのレイフォンがねぇ。あんな綺麗な子を捕まえるなんて、どういう風の吹き回しなんだい?」
「さてどうなんでしょうね、私が知る限りではレイフォンよりフェリさんの方が積極的でしたが」
「まあそうだね。あいつが女の子に積極的、なんていうは想像できないね」
何気に酷いルシャの感想だが二人とも同じ感想を持ったので反論はしなかった。
「まあいいや、しばらくいるんだったらいつでも来てくれて構わないよ、歓迎するさ」
「ええ、バスの都合がありますので挨拶に来れないかもしれませんが」
「わかってるさ、元気でやっとくれよ」
「はい、ルシャさんも」
未だバスは人類の予定通りには動かない為別れも挨拶ができないかもしれないと、今のうちにと別れの挨拶をしてルシャ宅を辞する。
門を出たところでクララがニーナに確認をとる。
「それでとりあえず希望はリーリンの所だけですよね?」
「まあ他にグレンダンに知人もいないからな」
「そうでもないでしょう。ではリーリンの所に行くと長くなるでしょうから後回しにして次に行きましょう」
確かにリーリンに会えば長くなるだろうと思うので、クララの言う知り合いが誰の事かと首を傾げながら後についていく。
クララに連れていかれた場所はこちらもまた一等地の大きな邸宅だった。
先程のルシャの所と違うのは隣に道場が併設されており、かなり大きな『現役』の武門である事が分かる。
数多くの門下生がいる中を進んでいく途中で道場内から一人の女性が出てきた。
波打った赤髪を長く伸ばし見事なプロポーションと類いまれな美貌を併せ持つ美女だ。その腰には剣帯が巻かれ武芸者である事が見て取れる。
「クラリーベル様、お久しぶりです。しかし今日はどのような用件でしょうか」
「クララでいいですって、私たちの仲じゃないですか。それに私が来ると何か都合が悪いことでもあるんですか?」
「いいえ、皆が見ている前で礼儀を欠くわけにはまいりません。それに急にいらっしゃる時はクラリーベル様の機嫌があま
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