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鋼殻のレギオス 勝手に24巻 +α
第五話 INグレンダン(その3)
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したんですかニーナ?」
「いや、お前もVIPなんだな、と再認識していたところだ」
「どういう意味ですか、それ」
 初対面の時からそういう事を感じさせなかったため、改めてそういう場面を見ると新鮮さを感じる。
 少しむっとしたクララの耳に笑い声が届く。
「ははっ、確かにそういう方が多いけど、無駄に格式ばってばかりよりはよほどいいんじゃないか。しかしあんたが訪ねて来てくれるとは思ってなかったよ、レイフォンの奴も来なかったからね」
「あの時お世話になりましたから。しかしレイフォンは顔見せにも来なかったのですか」
「私に会うとまた何を言われるかわかったもんじゃないとでも思ったんじゃないのか。あいつは父さんやリーリンには会ってたし、時々手紙も来るそうだからそっちで聞いてみるといい。リーリンにはもう会ってきたのかい」
「いや、まだです。これから会いに行くつもりですが。しかし本当にいいんですかここで、気まずそうな気がしますけど」
 クララから聞いてはいたものの、本人からも聞いておきたいと思う。
 正妻と妾、それだけでも微妙な関係だがこれはそれ以上に複雑だ。もし正妻にも子がいれば話はまだ簡単になるだろうが妾に一人だけ、しかもルイメイはもういない。ルイメイが生きていれば当然のこの屋敷も今はマルクートが居るから与えられているようなものだ。
 響きでいうならば正妻の方が上だが、実質的には妾のルシャの方が上だと世間が見るのも無理はない。そんな状態で軋轢が無いと思うのは難しいだろう。
「私は別に気にしちゃいないさ、仲も悪くないと思っているよ。まあそう思われるのも仕方ないと思うけどね。それにマル坊は武芸者だから。私はそういった方面はどうしたって疎いからね、いくらガキどもの面倒を見ていたといっても分からないことだらけさ」
 子育てというものは簡単ではない。ましてや体の構造から違う武芸者を一般人のルシャが一人で育てる困難さは察して余りある。
 その点、武芸者の女性がいれば対応しやすい。無意識に剄を使って暴れられたりしたらルシャでは危ないが、抑えるのは容易となる。
 一人の男と二人の女、男がいる間は子を持たない女から子を持つ女への嫉妬が多分にあったが、それも昇華され男への気持ちで繋がっているのかもしれない。
「そうですか、余計な気遣いだったみたいですね」
「ああ別にいいよ。あんたが私を覚えていてくれたって事だしね。それでまた旅に出ていくんだろ」
「ええ、そうです。何か用があればお聞きしますが」
「なに大したことじゃないよ。あんたが途中でレイフォンに会った時、またヘタレてたら私からだって言ってぶん殴ってやってくれ」
「ははは、わかりました。けどその必要はないと思いますよ」
 実にルシャらしい物言いに軽く笑うニーナ。
「ん、そうなのかい?」
 明快な否
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