第五話 INグレンダン(その3)
[17/18]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
に解散してるさ。今の俺っちの名前はハイア・ヴォルフシュテイン・サイハーデンさね」
告げられた名前に困惑するニーナ、ハイアの新たな名に聞き覚えがあったからこその戸惑いでもある。
それを見て取ったクララが補足をかける。
「ハイアはレヴァンティンとの戦いの前に天剣授受者になったんです。それに最近サイハーデンの武門を継いだんですよ」
つまりサリンバン教導傭兵団団長のハイア・サリンバン・ライアが傭兵団を脱退してハイア・ライアとなり、天剣ヴォルフシュテインを継承したことでハイア・ヴォルフシュテイン・ライアとなった。更にサイハーデン武門を継いでハイア・ヴォルフシュテイン・サイハーデンとなったのである。
余談ではあるが、ハイアと結婚していたミュンファもそれに伴いミュンファ・ライアからミュンファ・サイハーデンと名前が変わっている。
「まああんたにはとっては随分迷惑だったろうけどもう昔の事ってことで」
迷惑を掛けたという自覚があるにしてはかなり調子のいい物言いだがニーナもどうこう言うつもりもない。実際『昔の事』であり今更何を言ったところで何か変わるわけでもない。それに迷惑だったのは確かだがそれによってどうしようもないような問題に発展したわけではなかった事も一因としてある。
「ところで武門を継いだという事だが経営は大丈夫なのか?」
レイフォンから道場や孤児院の困窮を聞いたことがあり、それがレイフォンが闇試合に関わる事になった要因だからだ。
「俺っちを誰だと思ってるさ、元とはいえ教導傭兵団の団長だったんさ。他人に教えるのは得意分野さ」
「まあ実際道場は繁栄してますよ。現役の天剣授受者がいる武門は栄えるものですが、念威繰者で流派のないエルスマウさんを除いてもリンテンス様は弟子をとるような方ではないですしバーメリン様もそれは同じです。先生は男には教えないですし女性である程度実力があれば教えてもらえますけどそもそも化錬剄使いは総数からして少ないです。私もこれといった武門に属しているわけではないですから、ハイアの様にちゃんと道場を開けば繁盛しますよ」
「孤児院の経営については私が目を光らせてるから。収入は基本的に補助金と道場の月謝の一部だから裕福とは言えないけど、少しずつ貯えも出来てるよ」
三者三様だが道場、孤児院共に順調な様子がうかがえる。それを聞いたニーナも心中で安堵する。実際困窮していたとしても何かができる訳ではないが知り合いの所が貧乏に喘いでいたらいい気分になるわけがない。
そんな風に四人で談笑していると急に空を引き裂く音が響き渡った。
それはグレンダンに詳しくないニーナにも何の音かはっきりと分かった。それは危険を知らせる音、破滅の足音、戦場の呼び水、数多の都市が滅びる前兆。
汚染獣襲来を告げる音に空を仰ぎ見る人々の目には急激に風
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ