第五話 INグレンダン(その3)
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りあえず顔を忘れられない程度には来てますね、剄では発散できない憂さもあるってことですよ。ちなみに隣はサイハーデンの道場です、私は用もないのでほとんど来ないですけど」
武芸の道場なのにクララが見向きもしないのに何か訳があるのかと考えていると、奥から子供たちに手を引かれた一人の女性が出てくる。
「クララお菓子ありがとう……っとニーナじゃない、どうしたの」
「グレンダンに来るつもりがあったからな、リーリンがどうしているかも気になっていたからクララに連れて来てもらったわけだが元気そうで何よりだ」
「それはそうよ、こいつらの相手をするのに元気が無ければやってられないからね。ニーナもまあ元気よね」
「まあな、元気が無ければ旅なんて続けられないからな。今は世界放浪中だ」
「ところでレイフォンから連絡とかありました? レイフォン達も旅してますけど」
簡潔な近況報告をしたところでクララがリーリンに質問を飛ばす。
「無いわね」
それをリーリンが切って落とす。
「どうせあんなことがあったから手紙を出しにくい、とでも思っているんでしょ」
それもそうだ、と頷くクララに今度はニーナが疑問を浮かべる。
「あんなことってなんだ、またあいつは問題でも起こしたのか?」
それに対し今度はリーリンが首を傾げる。
「ニーナに話してなかったの?」
「ええ、どうせここに来るのは分かっていましたから一度に話した方が早いと思いまして」
そう、と一つ頷く。
「えっとレイフォンがフェリさん連れで帰ってきたのは」
「あ、それだけは私が話しました。それですぐに出て行ったという事も」
「その時、アンリは大喜びだったし義父さんも祝ってくれてよかったんだけどその後に問題があったの」
「陛下から呼び出しがあったんですよ」
グレンダンの女王、市民からすれば尊敬と畏怖の対象だがその実態を知っている者にとっては積極的に動くと面倒を引き起こす厄介な存在である。
グレンダン王宮に幾つかある謁見の間、その中でも小さめの広間にレイフォンの姿があった。
略式の玉座に腰掛けるアルシェイラの他に女王代理のクララ、レイフォンと共にグレンダンを訪れたフェリ、そしてリーリンの姿もあった。
「さてレイフォン、グレンダンに帰って来たわけだけど天剣になる? もちろん幾つか試合に出て汚染獣戦にも出てっていう段階を踏む必要はあるけど」
悪い話じゃないんじゃない、と気軽に言うが実際良い話である。
天剣が天剣でなくなるのは天剣争奪戦で敗れるか死亡した時のみだ。その隔絶した実力から天剣の運命を持たない者は相手にならないし、天剣の運命を持つ者ならば天剣授受者に挑まなくてもその座に就くことになる。毎年行われる争奪戦など天剣達からすれば暇つぶしにもならない。十三人目の天剣の運命を持つ者な
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