第五話 INグレンダン(その3)
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ヴェルゼンハイムが火神を喰らう事で成長が阻害されていたのだと思う。だからヴェルゼンハイムがいなくなった事で一気に成長したのだろう、ということのようだ」
あくまでも推測に過ぎないが、と話を締めくくった。
「では、シャンテはもう問題は無いのだな」
「もし世界に対して害を与えるようであればシュナイバル達が黙っていないだろうし、全部回収できないと言いながらも先輩が去っていったのならもう火神の力はほとんど残っていないと思います。どちらもそこを見逃す人たちではないから」
世界の安定を第一とするシュナイバルと自身の求めるモノを第一とするディック、その双方がアクションを起こさなかった以上もう心配はないだろう、というのがニーナの結論だ。
それはよかったと安堵の息を吐くゴルネオ、心配しすぎだって言ったでしょうと宥めるシャンテ、その二人を見るクララ。その光景に感じていた疑問が口を吐いて出る。
「ところでクララは二人と親しいのか? ツェルニでは殆ど親交は無かったと思うのだが」
ツェルニでクララとゴルネオ達は一年しか重なっておらず武芸長のゴルネオと第十四小隊員のクララで接点は無いに等しかった。
クララはしたりと頷き。
「それはそうですよ、グレンダンに戻ってからですから。私が化錬剄の道場巡りをしている時ですね」
道場巡りというと教えを請うように聞こえるが、そんな生温いことをクララがするだろうか、という考えが顔に出たのかゴルネオがため息を一つ吐く。
「そうだ、道場『巡り』ではなく道場『破り』と言った方が正しいだろうな。とはいえグレンダンではそれほど珍しい事ではない……まあ天剣授受者がするなど聞いたことが無いが」
やはりか、とクララをジッと見るが悪いことは何もしていないとばかりに見返してくる。
「丁度ゴルはその時居なかったので私がお相手したのですが、その縁で時々訪ねて来られるようになりました」
「それでゴルネオさんとも話すことがあって奥さんもツェルニ出身だっていうのにこの実力で私が知らなかったなんて、という事でさっきの話を聞いてニーナ関連だと思ったんです」
なるほど確かにディックについては自分が詳しいと思うのは当然だと思うし、クララが強い相手に興味を持つのもよくわかる話だ。
「いい機会ですからニーナも少し手合わせしていきましょう。二対二でやるのも面白いですよ」
クララの誘いに途端に渋面になるゴルネオ、それを見たシャンテがやんわりと断りを入れる。
「今日はニーナさんを案内しているのではありませんか、それに人数が増えますとここでは手狭になってしまいます。また今度ではいけませんか」
クララから賛同者を求める眼差しを送られるがあいにくニーナもそのような気分ではない。戦ってみたいという気持ちが無いでもないが、次のバスが何時になるのかもわからな
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