超能力のある杉の樹
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voyant(透視)、Pschometryサイコメトリー、Telepathyテレパシー、Telekinesis(念力,観念動力)を習得してきたのである。
如何にしてそれらの素晴らしい能力を獲得したかを、説明することは、私に課せられた義務ではあろう。
我々は、日本固有種の風媒花であり、屋久島から東北まで広く生存している。日本全国の面積の約十二パーセントを占領している。そして、大量の花粉を二〜四月に全国に飛ばしているのだ。それら多くの花粉には、様々な情報が詰まっている。多少のタイムラグはあるが、巡り巡って私の葉達がキャッチする。つまり、いながらにして、種々のインフォメーションを獲得できるのだ。
それらの情報は種々雑多であるが、得意の分析能力を駆使し、必要な知識だけを選別して吸収している。我々の仲間は、いたる所で成長している。図書館、大学、研究所、個人の家の近く、公園……などから情報を得ている。これを体得するには、おおよそ、百年以上生きてきた杉でなければ、とてもできない芸当ではあるが……。
私ほど研究熱心な杉も珍しく、若手からは、全権大使がそうであるように【閣下】と呼ばれ、尊啓と羨望の的になっている。
四十五億年の歴史を持つ地球の動物界で、今は頂点に立っているホモサピエンス。その歴史と、彼らが営々と築き上げてきた学問に、私は、多大の興味を持っている。人文科学、社会科学、形式科学、自然科学、応用化学……など多くの分野がある中でも、特に最近では、自然科学の一分野である宇宙科学に関心を寄せている。
特に、アインシュタイン博士の一般相対性理論と量子力学を結合させ、量子重力論を展開しているイギリスにあるオックスフォード大学とケンブリッジ大学大学院で、応用数学と理論物理学を学び、ブラックホール解明を課題にしていたホーキング博士が、提唱した【ブラックエネルギー】を研究対象にしている。彼は、千九百六十三年にブラックホールの特異点定理を発表し、世界的に有名になった。千九百七十一年に、「宇宙創成直後に小さなブラックホールが多数発生する」とする理論を発表した。千九百七十四年には「ブラックホールは素粒子を放出することによってその勢力を弱め、やがて爆発により消滅する」とする理論(ホーキング放射)を発表して量子宇宙論という分野を作った。
天文台付近の仲間を使って天体望遠鏡のCP解析を入手し研究しているが、現時点では、残念ながら、答えを見出せずにいる。
が、残る寿命の全てをこの研究に注ぐ覚悟である。
皆さんが多いに疑問を持っていることに、そろそろ、答える時がやってきたようだ。
なぜ、単なる樹木にすぎない(シャレのつもり)私が、このような文章を書けるのか?
ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッハッ、ハッ、ハッ、
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