【誰が為、何の為に】
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は」
「ぼんしょう……?」
ボルトは聞き慣れない言葉に首を傾げるが、ネジは意味を教えてやるでもなく話題を変える。
「──ボルト、俺は正直、この先のお前が心配だ」
「は…? 何言い出すんだってばさ」
ネジの表情は、微かに憂いを帯びている。
「お前はどこへ向かおうとしているのか……お前に秘められた力は何なのか、お前が守るべきものは何か──俺には、ボルトを見守るくらいしか出来ないからな」
「変な心配すんなよおじさん、オレなら大丈夫だって! とりあえず下忍になって、おじさんみてぇに飛び級で上忍にでもなってみせるってばさ」
「そんな簡単に捉えられても困るんだが……。まぁ、ダサい時代の人間が新しい世代にとやかく言った所でぼやきにしかならないな。──自分を見失わない程度には、お前の好きなようにやっていけばいい」
『……お兄ちゃーんっ?』
「あ、ヒマワリの声だ」
「ボルト……そろそろ時間だ、ヒマワリと一緒にお帰り。お前と色々話せて、良かったよ」
「あぁ、オレも──?あれ、ネジおじさん?」
「──ボルトお兄ちゃんってば!!」
「うわッ、何だってばさヒマワリ…!? 近くでいきなり大きな声出さないでくれよ。……なぁヒマワリ、ネジのおじさんどこ行ったか知らね? 急に居なくなっちまって──」
「え? ネジおじさんの夢見てたの? いいなぁ、ヒマもおじさんの夢見たいなっ!」
「何言ってんだってばさ、ついさっきまでオレの目の前に……」
「お兄ちゃん、離れのおじさんのお家に来て寝ちゃってたんでしょ? ヒマも一緒に行くって言ったのに、お兄ちゃん今回は一人で行くとか言うから……。ヒマはハナビお姉ちゃんと日向のお家で待ってたんだけど、戻って来るの遅いからヒマが迎えに来てあげたの! そしたらお兄ちゃん、おじさんのお家の中で眠っちゃってて何だか寝ごと言ってたよ?」
「へ…? 夢……??(──そっか、ネジおじさん、居ないんだった……。けどオレ、何か一人でおじさんの家に行きたくなって───)」
「お兄ちゃん、首飾り外れてるよ?」
妹のヒマワリに言われて、いつも身につけているはずの捩れた形状のペンダントがいつの間にか外れ卓上に置かれているのに気づいたボルトは、不思議に思いつつも自分の首元にそっと掛け直す。
(ネジのおじさんの夢見てたのは覚えてるけど、何言われたかはヒマワリに起こされた時に忘れちまったな……。何か、心配されてた気がするけど……オレってば、大丈夫だよな)
《終》
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