侍娘-クリスティナ-part4/悩む戦士たち
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ウルトラマンネクサスが存在していた次元の地球。
この日も、ナイトレイダーは新宿に現れたペドレオンの殲滅任務を遂行し、無事犠牲者を出すことなく成功させた。戦果は上々。望むべき形の終わり方だった。
しかし、孤門は悩みを抱えながら廊下を歩いていた。
シュウが行方不明となり、その後吉良沢から明かされた『彼の真実』。これまで幾度となく、スペースビーストとの戦いで身を裂くような痛みを抱え悩み続けた孤門。このときの彼は、当時と同じように悩み続けていた。
「また悩んでいるようだな、孤門」
向かい側から、ちょうどやってきた和倉隊長が孤門に声をかけてきた。
「隊長」
「今度はどんな悩みを抱えているんだ?大体は予想つくが…黒崎のことか?」
「…はい」
シュウのことを指摘され、孤門は重い表情を浮かべながら頷いた。和倉は孤門のその顔を浮かべる理由が何なのか、察しがついた。
「…その様子だと、CICから聞いたようだな。あいつが我々の仲間に加わった真の理由を」
再度頷く孤門。しかし、その『理由』のことを思い出して、納得しきれない様子を見せ始める。
「でもまさか、そんな理由でシュウがナイトレイダーに加わっていたなんて…だけど、イラストレーターの話が真実なら、どうして彼を僕らの部隊に入れたんでしょうか?いいにくいことですけど…その…危険が伴うことになるんじゃ…いや、それ以前に、シュウは彼女を!」
「上層部からの命令でもあったんだ。黒崎の身体検査の結果、免疫判定がこれまで測定された人間の中で最も高い数値を出している。そこには恐らく…」
「まさか…憐のときと同じように!?」
孤門の脳裏に、過去の戦いの出来事の一端が蘇った。
「それもあるだろうな」
和倉も孤門の言おうとしていたことを理解した。
かつて、シュウの遊園地でのバイト仲間でもあった憐は…ウルトラマンネクサスとして戦っていた時期があった。その際、憐は松永たちに捕縛されてしまったことがある。目的は、ウルトラマンの光の波動データを調べ、手に入れること。だがそれには、適能者の命さえ脅かしかねない危険な実験を行わなければならなかった。ただでさえ当時、憐は命に係わる不治の病に侵されていた。確実に憐の命を落としかねない行為に反発した孤門たちナイトレイダーは、TLTに反旗を翻すことになるのを承知の上で、憐を連れ出してTLTを脱走したことがあった。今では反逆の罪を許されて、こうして以前どおりナイトレイダーとして戦っているのだが…。
「だが、憐の一件がこの基地内で知れ渡り、昨年の最後の戦いを経て、ウルトラマンを兵器としか見ないやり方に反発する者が出始めている。だから上層部はせめて『監視』に留めることに決めたそうだ。以前ならこれだけでも考えられない措置だがな。ならせめて監視しつつも、あいつを隊員の一人として育てようとする凪
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