侍娘-クリスティナ-part4/悩む戦士たち
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『この世界では、敵だった頃のカオスヘッダーの恐ろしさは僕らが一番知っている。ジュランにいた怪獣たちの一部は、かつてカオスヘッダーに憑依され経験から、カオスヘッダーへの耐性が着いたという事例もあるけど、彼はそうじゃない。
あのカオスヘッダーが、憑依された経験も耐性もないはずの黒崎君を支配したり、ネクサスを元にしたカオスウルトラマンを生み出すどころか、逆に取り込まれてしまうなんて普通じゃない。元からカオスヘッダーにも耐えられる強靭な何かがあるのか…
彼は熱を出したって言ってたね。もしかしたらその発熱も、疲労だけが原因じゃないかもしれない。僕の思い過ごしかもしれないけど…とにかく、彼の身に異変が起きたらすぐに知らせて?』
「はい…」
ムサシの話を聞けば聞くほど、シュウに対する新たな不安が過り始めた。テファと彼の関係については二人の距離がようやく縮まり出したからいいのだが…
シュウのことについては、確かに不安を感じ始めた。まだあいつには何か…恐ろしい秘密でもあるのだろうか?
…いや、考えてもわからないことだ。今は先に解決できそうなクリスの件をどうにかしよう。シュウのあの黒いオーラについては頭の隅に置きつつ、クリスの人間関係を解決してやらなければ。早速ルイズたちとも話をしてみることにした。
「手を貸す、ねぇ…」
タバサの助けもあって図書室から本を借りたシュウは、帰り際に鉢合わせたサイトから翌日に行うことになっている予定の手伝いを頼まれ、思案する。内容は、「クリスをクラスのみんなと馴染ませるためのイベントについて相談し合う」というものだった。ムサシの提案でもあるらしく、シュウからも意見を取り入れたいとの申し出だった。
「お兄ちゃん、明日サイトのところに行くの?」
「…ああ」
リシュからの問いに、少しの沈黙を経て頷いた。やるべきこと、やりたいこと…アスカの救出もできず、かといってまだ怪獣の出現の気配もないので、断る理由もなかった。
といっても、特に見返りもないこんな道楽に自ら乗っかる自分に違和感さえあるのだが。
「えぇ〜、お兄ちゃんに本を読んでもらいたいのにぃ…」
まるで遊んでほしい時に限って仕事に向かう父親にブー垂れるように、リシュが口をとがらせる。その時ちょうど二人は、借りている部屋の前まで戻ってきていた。
「読書だけに一日を費やせるか。部屋にはティファニアもいるし、俺がいない時はあいつに読んでもらえ」
そう言ってシュウは、扉をノックして中にいるテファに呼びかける。
「ティファニア、今戻った。開けてくれ」
「…」
しかし、すぐに返事が返ってこない。寝ているのか?
「ティファニア?」
「ふぇ!?は、はい!!」
改めて名前を呼びかけると、扉の向こうから彼女のあわてる声が聞こえてきた。寝ていたのだろうか?すぐにガチャッ
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