侍娘-クリスティナ-part4/悩む戦士たち
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、戦国時代で互いが敵国の間柄でありながら、愛し合ってしまった武将と姫の怨霊を沈めたそうなんだ。その怨霊と、僕とコスモスは戦ったことがあるんだ。かつてその怨霊を封じたと言われるのが、その錦田影竜って侍なんだ』
ムサシは当時をふりかえる。
あの時、二人山と言われる山にダム建設の計画が立ち上げられる。だが建設予定地には、ムサシがサイトに言った、影竜の封じた怨霊が『刀石』によって封印されていた。ダム建設には邪魔なので建設側は壊してしまおうとするが、現地の住人たちから反対された。封じられた『怨霊鬼 戀鬼』の復活を恐れたからである。だが、時代と共にその非現実的な伝説はただの創作でしかないと思われがちだ。ダム建設側の刀石爆破の強行により、戀鬼は復活、結局EYESやコスモスが戦うこととなった。
「そんなことがあったんですか…何者だったんだ?錦田影竜って…」
もしかしたら時代も世界も、次元さえも越える力を持っていたのかもしれない。本当に何者だったのか気になってきてしまう。
すると、ムサシの背中をヤマワラワがつついてきた。今はその話をしてるときなのかと訴えるように。
『って、殿下の話から反れちゃったね。ごめん』
「いえ…俺にとっても興味があった話なんで。実はそのクリスのことで今悩んでまして…」
サイトは、クリスが来てからの出来事、そしてそれによって彼女が孤立しがちであることを明かした。
「それで…俺、クリスがルイズ以外のクラスメートたちと仲良くなるにはどうすればいいのか悩んでたんです。
しばらく怪獣とか星人の動きもないですし、戦い以外のことにも力を入れていきたいんです」
思えば、サイトもシュウにも匹敵しそうな精神的苦痛も味わいながら戦ってきた。ルイズもそうだし、ハルナにいたっては邪悪な闇の意思に振り回されていたのだ。クリスたちのことも解決すべきことだと思うが、同時にそろそろ次に備えて休みを取りたいと思っていた頃だ。
『そうだね。君たちはまだ若いし、ずっと戦いばかりに明け暮れるのも辛いだけだ。これを機会に戦い以外のことを考えるのもいいと思う』
ムサシは、少しの間腕を組んで考え込み、そしてサイトにあることを提案する。
『なら、クリティナ殿下がクラスに馴染むためのイベントを開く際に、黒崎君たちも参加させてはどうかな?』
「あいつらを?」
『たとえば…殿下の歓迎パーティーを開くことにして、その準備を黒崎君たちにも一緒に準備をさせるんだ。戦いとは関係のない共同作業をしながら、お互いのことを知っていって、距離を縮める。彼女と同じようにまだ学院に来て間もない黒崎君たちも学院に馴染めるだろうし、どうかな?』
「…パーティー…そうだ!それですよ!俺も地球にいた頃、転校生が来たら歓迎パーティーを開くこととかよくありました!」
サイトはナイスアイデアだと確信する。
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